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電算システム Research Memo(5):2020年12月期の営業利益は25.0%増と利益生む体質に変わりつつある


■業績動向

1. 2020年12月期業績
電算システム<3630>の2020年12月期業績は、売上高45,752百万円(前期比13.8%増)、営業利益2,836百万円(同25.0%増)、経常利益2,916百万円(同24.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,915百万円(同22.9%増)と増収増益で着地した。なお、通期予想については2020年12月期第2四半期時点で修正している。その理由として、2020年7月にピーエスアイの持株会社であるACAS2を子会社化したことに伴う2020年7月1日から2020年12月31日までの業績の連結決算への算入がある。また、第2四半期時点における案件の受注状況を勘案したことによる。この予想に対して売上高は若干下回ったが、営業利益など各利益においては修正計画を超過しての着地となった。営業利益が28億円台に乗るなど、利益を生む体質に変わりつつあることがうかがえる。

情報サービス事業において、コロナ禍の影響により各種ギフト処理サービスなどの処理件数は減少を余儀なくされたが、SI・ソフト開発及び商品販売においては、GIGAスクール関連やリモートワーク需要が伸びた。収納代行サービス事業においては、国際送金部門がサービス開始以来初めて通期で黒字となった。

2. セグメント別業績
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は27,147百万円(前期比19.5%増)、営業利益は2,074百万円(同27.8%増)となった。コロナ禍の影響によりイベント中止や延期が相次いだことから各種ギフト処理サービスなどの処理件数は減少した。

情報処理の売上高は5,719百万円(前期比8.8%減)だった。緊急事態宣言などによる外出自粛の影響によりガソリンの情報処理の件数減少し苦戦した。

SI・ソフト開発の売上高は4,973百万円(同34.5%増)、商品販売の売上高は2,055百万円(同0.2%)だった。SI・ソフト開発及び商品販売においては、GIGAスクール関連や高まるリモートワーク需要などにより「Chromebook」や「Google Workspace」などが大きく伸びた。また、オートオークション業務システム・教育関連システム・デジタルサイネージなどの売上も伸長した。なお、2020年12月期第3四半期より情報セキュリティ事業会社であるピーエスアイを新たに連結の範囲に含めている。

情報処理サービスにおけるBPO事業については、処理件数が77,297千件となり、2019年12月期(79,974千件)から減少している。これについては、コロナ禍によりお中元などのギフト処理件数が減った影響のほか、県をまたぐ移動の自粛などの影響がある。また、病院・診療所・介護施設・歯科医院に対しては「業務効率の改善」「徹底的な無駄なコストの削減」などの経営課題に対し、最適なICTの利活用による改善策を総合的にサポートしているが、この分野においてはコロナ禍の影響で現状動きが取れないと考えられる。一方で、全国の小中学校の教材販売に向けた「教材スマートオーダーシステム」については、2019年10月よりサービスを提供しており売上に占める割合はまだ少ないものの、教材案件・利用学校数の増加は堅調である。感染経路の1つではないかと考えられている金銭からの新型コロナウイルス感染を防止することにもつながることから、ニューノーマル(新しい生活様式)の浸透によって成長が見込まれる事業サービスとして注目したいと弊社では考えている。

(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は18,604百万円(前期比6.4%増)、営業利益は772百万円(同21.6%増)となった。コロナ禍の影響により提供サービスごとに明暗が分かれる傾向となった。主力の払込票決済は新規獲得先の稼働が予定より少し遅れているものの徐々に稼働開始となっており、件数の伸び率は回復してきた。同社ではこの傾向はしばらく続くものと想定しており、売上の伸び率はさらに回復してくると見込んでいる。なお、処理件数は堅調で、年間の決済件数は230,504千件(前期は216,262千件)となっている。決済サービスによる払込票決済サービスの売上高は16,090百万円(同8.1%増)、ペーパーレス決済サービスは1,076百万円(同17.5%減)、口座振替サービスは637百万円(同2.6%減)となった。

決済イノベーションの状況については、送金サービスの売上高は462百万円(前期比54.7%増)、収納代行窓口サービスは337百万円(同0.2%減)だった。収納窓口サービスの導入店舗が3,776店舗となり、店頭対面型送金サービス「WILL CALL」の導入店舗数(119店舗)が増加している。コロナ禍の影響によって顧客が利用していた店舗が閉店となったことなどから、顧客による「WILL CALL」への切り替えもあった。これにより国際送金部門がサービス開始以来初めて通期黒字に転換した。2020年7月より本格稼働を開始した債権保証型後払いサービス「DSK後払い」は、契約先数を伸ばしてきたものの稼働までの時間が払込票よりかかることから、取扱件数は当初計画より若干遅れている。また、収納代行サービス事業の堅調な売上高を支える地方公共団体を含む新規先の獲得状況は、計画通りに進展した。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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