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三機工業 Research Memo(6):“Century 2025”Phase2を推進中


■中期経営計画

1. 長期ビジョン“Century 2025”とは
三機工業<1961>は2017年3月期から創立100周年の2026年3月期に向けて、10年間の長期ビジョン“Century 2025”を発表している。この長期ビジョンの最終目標を「選ばれる会社」と定め、その目標達成のために10年間を3つのPhaseに分け、中期経営計画に基づく事業戦略を推進していく方針を掲げている。

2. 主な施策の進捗状況
(1) コア事業の強化
a) 建築設備
「施工品質向上」:1)品質管理センターの新設、2)自立走行型風量測定ロボットによる作業効率の改善、3)BIM(Building Information Modeling)等のデジタル情報を活用した施工管理業務の効率化、などを進めている。

「協力会社を含めた施工体制の整備」:協力会社の支払い条件を見直し全事業の協力会社を対象に、資本金4,000万円未満の協力会社への支払条件をすべて現金払いに変更した。

b) ファシリティシステム
「新たなコンサルティングサービスの提供」:コンサルティング推進課を新設した。それぞれの企業に合う働き方をデザイン(ワークスタイルコンサルティングサービス)していく。

c) 機械システム
「省力化・自動化ニーズに対応したハイブリッドシステムの製品・サービス拡充」:ハイブリッド設備の受注・売上が順調に推移している。

d) 環境システム
「省エネ・創エネ事業領域展開」:北多摩一号水再生センター汚泥焼却設備再構築工事(東京都)を受注した。同社初のバイナリー発電システム付過給式流動炉を設置し、これにより大幅な省エネ・CO2削減と発電による創エネルギーを実現する。

(2) 成長戦略:将来に備えたストックビジネスの推進
a) クリーンヒル天山
同社グループ初の新設工事を伴うDBO方式による受注物件であるエネルギー回収型廃棄物処理施設「クリーンヒル天山」が2020年3月に竣工した。同社が建設工事を担当し、三機化工建設(株)が20年間の運営事業を担当する大型LCE事業となる。

b) その他:将来につながる受注物件(10億円以上)
新築・増築含め、14件となっている。

(3) 三機ブランドの向上
a) 技術の向上
主に以下3つの取り組みによって、同社を挙げ技術の向上に努めている。
・2020年度夏期特別合同安全パトロール実施
・社長褒賞「優秀社員賞、矢野技術賞、工法・業務改善賞」発表・表彰式をオンラインにて開催
・R&Dセンター開発成果ビデオ発表を社内で開催

b) コミュニケーション向上の取り組み
コミュニケーション不足となりやすいコロナ禍で、オンラインを活用し、人材確保・人材育成に生かしている。
・2020年度新入社員導入研修をオンラインにて実施
・内定者との交流会をオンラインにて開催

(4) 社会貢献
「SANKI YOUエコ貢献ポイント」制度が10周年を迎えた。サステナビリティの一環として、顧客にCO2削減につながる設備の省エネ提案し採用となった場合に、その削減量をエコ貢献ポイント(1トン当たり100円)に換算し、環境保全活動を助成している。CO2削減量が2019年度連結ベースで約4万5千トン、植樹本数が2019年度までの累計で約1万7千本、「SANKI YOUエコ貢献ポイント」の寄付金額が2019年度までの累計で2,120万円となっている。10周年記念では「感謝の森」を造成・記念植樹の実施し、同制度の特別ページを開設した。

(5) 情報発信力の強化
同社の新広告「カイテキをカタチに。」のCMやポスターを各支社・支店の地域においてオーロラビジョン・デジタルサイネージなどで展開し、情報発信力の強化に取り組んでいる。

(6) 財務・資本政策「ステークホルダーへの還元」:粛々と実行中

自己株式の取得は、既に2020年3月期(1,958千株)、2021年3月期(1,000千株)を実施済みである。予定残数は2,042千株程度となっている。年間配当についても、2021年3月期は70円の予想で、総還元性向は79.6%を予想している。

(7) ESGの観点からみた同社の取り組み
持続的な社会価値を創造するため、施策を実行している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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