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ティア Research Memo(5):葬儀件数減少と単価下落が減益要因となるも、名古屋市内のシェアは上昇


■ティア<2485>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 葬祭事業
葬祭事業の売上高は前期比6.9%減の11,535百万円、営業利益は同29.3%減の1,526百万円となった。葬儀件数は既存店の減少を新店効果でカバーして同3.9%増の11,353件と増加基調が続いたものの、葬儀単価が前期比9.5%減の900千円と大きく下落したことが要因だ。コロナ禍により3月以降、葬儀規模が縮小したのに加え、法要料理の販売も減少したことが響いた。

地域別の葬儀件数を見ると、名古屋市内が新規出店効果もあって前期比4.0%増と伸長したほか、愛知県(名古屋市除く)が同1.7%増、関西が同3.6%増、首都圏が同11.0%増とすべての地域で増加した。名古屋市内に関しては斎場シェアについても25.8%と前期比0.9ポイント上昇しており、下半期だけで見るとトップシェアになったと見られる。また、首都圏については2ケタ増となったものの、上期が34.0%増だったため、下期は失速したことになる。これは都内のサロン店舗が会員獲得施策として続けていた定期イベントが、コロナ禍によって開催できなくなるなど、営業活動が十分に行えなかったことが要因となっている。

葬儀単価下落の内訳を見ると、祭壇で5.6%減、葬儀付帯品で2.4%減、供花・供物で1.5%減となり、祭壇単価の下落が目立った。これはコロナ禍で家族葬など比較的小規模な葬儀に対するニーズが一段と増加したことが要因だ。料金プランついては50~100万円のプランが減少し、100万円台と50万円以下のプランに2極化が進んでおり、また、100万円台のプランでも平均単価は下落したようだ。

(2) FC事業
FC事業の売上高は前期比2.8%減の385百万円、営業利益は同14.8%増の75百万円となった。新規に開設したFC会館の加盟料売上を計上した一方で、FC会館のロイヤリティ及び物品売上の減少が減収要因となった。利益面では、加盟料売上の増加が増益要因となっている。


収益性は低下するも財務の健全性は確保
3. 財務状況と経営指標
2020年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比167百万円増加の13,468百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金(以下、現預金)が94百万円増加し、固定資産では店舗数の拡大に伴い有形固定資産が207百万円増加した。

一方、負債合計は前期末比179百万円増加の4,540百万円となった。有利子負債が240百万円増加した一方で、未払法人税等が118百万円減少した。また、純資産は同12百万円減少の8,928百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益345百万円及び配当金支出358百万円があったことによる。

経営指標を見ると、自己資本比率が前期末比0.9ポイント低下の66.3%、有利子負債比率が同2.7ポイント上昇の24.1%となった。現預金から有利子負債を差し引いたネットキャッシュは、前期末比145百万円減少の912百万円となっており、財務の健全性は確保されているものと判断される。一方で、収益性に関しては前述の通り前期比で低下している。ROEについては前期比6.0ポイント低下の3.9%となったが、ROEを分解すると売上高当期純利益率が前期の6.2%から2.9%に低下しており、もっとも影響を与えている。また、総資産回転率も0.89倍と2017年9月期の1.08倍から逓減している。葬儀単価の下落傾向が続いていることが一因と見られ、今後の課題と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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