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アンジェス Research Memo(3):新型コロナウイルス感染症ワクチンは2021年春の実用化を目指し開発を進める


■新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発状況について

新型コロナウイルスの感染者数は2020年8月上旬までに、世界で2千万人を超える広がりを見せており、また、一時沈静化していた国内においても7月以降、感染者数が再拡大し、8月に入ってからは1日1千人を超えるペースとなってきており、早期の治療薬並びに予防用ワクチンの実用化が切望される状況となっている。

こうしたなか、アンジェス<4563>は2020年3月に大阪大学と共同でプラスミドDNA※1製法を用いた予防用ワクチンの共同開発を行うことを発表し、同年6月より大阪市立大学医学部附属病院にて、臨床第1/2相試験を開始し、既に低用量群(15例)と高用量群(15例)の接種が完了した。また、投与間隔及び投与回数を確認するための第1/2相臨床試験を、大阪大学医学部附属病院で9月上旬より開始するとしている。ワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子をプラスミドに挿入し、このプラスミドを大腸菌で大量培養した後にDNAを抽出して製剤化する。無害化されたDNAワクチンを投与することで、新型コロナウイルスに対する免疫(抗体※2)を作り、感染症の発症や重症化を防ぐことが可能になる。

※1 プラスミド(plasmid)とは、大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在し、細胞分裂によって娘細胞へ引き継がれるDNA分子の総称。一般的に環状の2本鎖構造を取り、染色体のDNAからは独立して複製を行う。その独立した遺伝子複製機構から、遺伝子組み換え操作のベクターとして創薬などで利用されている。このプラスミドを大腸菌に導入し、大腸菌の大量培養により目的のDNAを増幅する。プラスミド製法では、HGF遺伝子治療薬「コラテジェン®」が上市済みであり、製法そのものについての安全性は確認されている。
※2 ウイルスや細菌などの抗原が体内に入り込んだとき、そのたんぱく質に反応し、体から追い出すためにできる対抗物質。


現在、経過観察を行っている動物を用いた非臨床試験において安全性に関する問題は発生しておらず、また、ワクチンの有効性評価基準となる抗体産生の有無や中和抗体活性についても、米国のワクチン開発企業が発表している初期臨床データとそん色のないデータが得られていることから、弊社では今後も開発は順調に進む可能性が高いと見ている。同社では、2施設での臨床試験の安全性及び有効性についての初期的な試験結果を2020年第4四半期に発表する予定にしており、問題が無ければPMDAとの協議のうえで、早期に数百名規模での第2/3相試験を開始し、2021年春の実用化を目指すという従来からの方針に変わりない。通常、販売承認申請の審査期間は1年強かかるが、緊急性を要する場合は特例で早期承認されるケースもある。

ワクチン開発プロジェクトの発表以降、同プロジェクトに参画する企業が相次いでいるが、2020年5月以降は大量生産体制の構築に向けた参画企業も出てきている。ワクチンの製造に関してはタカラバイオが担当しているが、中間体の製造に関して、AGC Biologics、Cytiva、シオノギファーマ、Kaneka Eurogentecが参画することを発表しており、こうした取り組みによって2021年春には100万人分のワクチン生産体制が整備されることになる。

こうしたワクチンの開発や量産体制構築に向けた費用については、国の助成金等で賄われることになる。日本医療研究開発機構(AMED)が公募した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」に、2020年5月に採択されており、研究開発費20億円(直接経費、研究開発期間:2020年5月〜2021年3月)の支援を受けることが決定しているほか、厚生労働省が公募した「令和2年度ワクチン生産体制等緊急整備事業」にも同年8月に採択され、約93億円の交付金(事業期間:2020年8月〜2022年3月)を受けて、大規模生産体制の構築を図っていくことになっている。なお、これら助成金等について、会計上どのように処理していくかについてはまだ確定していない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




<NB>

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