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GTS Research Memo(7):加齢黄斑変性治療薬を対象としたラニビズマブBSが3つ目の上市品の視野に(2)


■ジーンテクノサイエンス<4584>の開発パイプラインの状況

(3) GBS-010
GBS-010はフィルグラスチムにPEG(ポリエチレングリコール)を修飾することで投与回数を減らし、効果の持続性を増したペグフィルグラスチム(商品名:ジーラスタ/ニューラスタ)のバイオシミラーとなる。非臨床試験が既に終わっており、開発は順調に進んでいるものと思われる。ジーラスタの国内売上高は2019年度で246億円、2020年度の見込みは281億円となっており、バイオシミラーの潜在需要は約80億円と試算される。

(4) GBS-012
「GBS-012」はアフリベルセプト(商品名:アイリーア)のバイオシミラーとして新たに追加された。2019年12月に癸巳化成(株)と共同開発契約を締結し、開発を進めていくこととなった。本バイオシミラーは2013年にバイオ医薬品の高産生細胞株樹立を目的に扶桑薬品工業(株)と進めてきた共同研究によって構築した高産生細胞株を用いており、製造コストの低減による競争優位性が図れる可能性がある。

癸巳化成は食用、化粧品用、医薬品用等の色素の製造販売と臨床試験薬等の製造販売を主に、バイオ医薬品の原薬開発等にも展開している企業で、今回は高産生細胞株を使って原薬の製造プロセスを確立していくことになる。従来は、原薬製造に係る開発費も数億円程度でできたが、現在は十数億円以上と開発コストも上昇していることから、資金負担を軽減するため、また先方からも原薬製造の実績をつくりたいとの要望があったことから共同研究契約に至っている。アイリーアの国内市場規模は約600億円で、バイオシミラーの潜在需要は約240億円となる。

(5) その他
その他のパイプラインの状況について見ると、抗がん剤のベバシズマブ(商品名:アバスチン)のバイオシミラー「GBS-004」については、2019年にバイオシミラーが2品目上市し、他メーカーの臨床試験も進行していることから出遅れ感は否めず、開発プロジェクトの優先度は下がっているものと見られる。

同様にリウマチ治療薬のアダリムマブ(商品名:ヒュミラ)のバイオシミラー「GBS-005」についても、国内では既に他社が開発に先行していることから参入の予定はない。中国でも共同事業化パートナーであった長春長生生物科技有限責任公司の会社清算に伴い、提携契約を解消している。今後については開発パイプライン全体の優先順位を考慮しながら、提携候補先の探索を進めていく方針となっている。

RSウイルスの感染予防薬であるパリビズマブ(商品名:シナジス)のバイオシミラー「GBS-008」についても、国内では感染予防薬の臨床試験コストが高いことから開発は進めず、現状は中国市場でパートナーの探索を進めている状況にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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