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サイオス Research Memo(4):ネットキャッシュが着実に増加し財務基盤の強化が進む


■サイオス<3744>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2019年12月期末の総資産は前期末比1百万円増加の5,332百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産は現金及び預金が127百万円の増加、売上債権が141百万円の増加となった一方で、仕掛品が85百万円減少した。固定資産はソフトウェア仮勘定が134百万円増加し、有形固定資産が34百万円、投資有価証券が172百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比52百万円増加の4,023百万円となった。有利子負債が136百万円減少した一方で、買掛金が280百万円、前受金が111百万円それぞれ増加した。また、純資産は前期末比50百万円減少の1,308百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益32百万円を計上したが、その他有価証券評価差額金が94百万円減少したことが減少要因となっている。

経営指標を見ると、自己資本比率が前期末の24.8%から23.7%に低下したものの、有利子負債の削減が順調に進んでおり、ネットキャッシュ(現預金−有利子負債)で見れば、前期末比で264百万円増加の1,651百万円となるなど、財務基盤の強化が着実に進んでいるものと判断される。収益性に関しては、同社が重要指標としているROICで前期の8.7%から1.7%に低下するなど、すべての指標で大きく低下した。要因は前述したとおりで、開発投資や人材投資などの戦略的投資を実行していることや金融機関向けシステム開発・構築支援で不採算案件が発生したこと、利益率の高い自社製品が減収となったことなどによる。

なお、M&A戦略に関しては今後も前向きに検討していく方針で、顧客基盤の拡大につながる企業や業界特化型のシステム開発企業、シナジーが期待できる最先端テクノロジーのノウハウを持つ企業などが対象となる。また、M&Aに投下する資金としては、手元キャッシュの範囲内で収まる規模を目安としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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