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PCNET Research Memo(8):配当性向30%以上を目安として配当を実施


■株主還元策

パシフィックネット<3021>は株主還元を経営の最重要課題の1つとして位置付けている。株主各位への利益配分については、継続的な利益還元を基本としたうえで業績連動型の配当方式を採用し、配当性向を重視して決定している。配当額は、親会社に帰属する当期純利益の30%以上を配当性向の目安として決定していく方針である。内部留保資金使途については、持続的な成長を確保するため、財務体質のより一層の強化と将来の事業展開などに活用したいと考えている。2019年5月期は21.0円と前期より1.0円増配し、2期連続の増配となった。


■情報セキュリティ

同社は情報セキュリティに関するリスクを最上位と認識し、強固な管理体制の構築に最大限努めている。具体的にはISMS(ISO27001:情報セキュリティ・マネジメント・システム)による万全なセキュリティ、プライバシーマークの取得、ISO対策室の設定、セキュリティドアやセキュリティカメラ等による情報漏洩の防止、外部からの不正アクセスに対するシステム強化、社員教育を中心とした社内管理体制の強化、内部監査の定期実施などである。

同社は、セキュリティ投資及び厳格な運用労務管理や従業員満足度向上への取り組みを含めて、情報漏洩防止とサービス品質向上のために積極的に取り組んでいる。一方でセキュリティ業界は大きな変革期を迎えている。使用済み情報機器の販売収益に依存し、データ消去等の適正処分にかかるサービス料はその販売収益でカバーするというビジネスモデルであったが、世界的な中古情報機器の輸出入の規制、環境問題の認識等から販売収益の減少が業界全体で顕著となり、今後は業界の再編やビジネスモデル転換も考えられる。当然ながら情報漏洩防止の重要性もますます高まっている。こうした事業環境に対し、同社は販売収益に依存する収益体制からいち早く脱却し、情報漏洩防止と環境対策を重視した適正処分サービスへの転換を、業界に先駆けて推進してきた。その結果、回収台数の減少や市場シェアの低下にはつながったが、コンプライアンスや情報セキュリティ意識が高い大企業群や官公庁からの受注は逆に増加している。2019年12月に発覚した他社による大規模な情報漏洩問題を機に適正処分の重要性を再認識するともに、さらなるセキュリティ管理体制の強化に取り組む計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)





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