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明光ネット Research Memo(4):明光義塾事業は減少が続くものの、1教室平均生徒数は期末ベースで増加(1)


■明光ネットワークジャパン<4668>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 明光義塾直営事業
明光義塾直営事業の売上高は前期比11.6%増の10,639百万円、セグメント利益は同3.4%増の894百万円と4期ぶりの増収増益となった。会社別で見ると、同社直営の売上高は前期比2.2%減の6,143百万円、営業利益は同10.3%増の795百万円となり、子会社の(株)MAXISエデュケーション(以下、MAXIS)の売上高は同0.4%減の2,867百万円、営業利益は同3.4%増の246百万円となった。また、2018年8月期第4四半期から加わったケイラインの売上高は1,214百万円、営業利益は73百万円となり、2019年8月期第3四半期より加わったKMGの売上高は414百万円、営業損失は4百万円であった。売上高はケイラインやKMGの連結化が増収要因となっており、利益面ではのれん償却費が前期比58百万円増加したものの、販促費が同62百万円減少したこと、また、同社直営事業における生徒1人当たり売上の上昇等が増益要因となった。

同社直営の期末教室数はスクラップ&ビルドを進めたことにより、前期末比12教室減少の221教室となり、期中平均の在籍生徒数は前期比4.3%減の15,281人、1教室平均生徒数は同1.7%減の67.4人となった。減少傾向が続くなかで唯一、生徒1人当たり売上については同2.2%増の402.0千円と8期ぶりの上昇に転じている。2019年春から受講料の価格改定を実施したことや、夏期講習のプログラムを工夫したことで受講者数が増加したこと、小学生向け「明光みらい英語」、中学生向け「明光の中学リスニング」等のICTを活用した英語プログラム等の受講生が増加したことなどが単価上昇要因となった。また、期末時点の在籍生徒数で見ると前期末比2.3%減と減少率が縮小傾向となっており、1教室平均生徒数については同3.0%増と4期ぶりに増加に転じている。四半期業績で見ると、2019年8月期第4四半期(2019年6月-8月)は売上高で前年同期比2.0%増、営業利益で同16.1%増となっている。

MAXISの期末教室数は前期末比1教室減の92教室となり、期中平均の在籍生徒数は前期比0.7%増の6,482人、1教室平均生徒数は同2.2%増の69.8人、生徒1人当たり売上は同1.1%減の442.4千円となった。MAXISについても期末時点の在籍生徒数は前期末比4.1%増、1教室平均生徒数は同5.2%増と指標は改善傾向となっており、2019年8月期第4四半期の売上高は前年同期比3.1%増、営業利益は同9.7%増と増収増益となっている。

(2) 明光義塾フランチャイズ事業
明光義塾フランチャイズ事業の売上高は前期比3.9%減の5,035百万円、セグメント利益は同15.3%増の1,993百万円となった。KMGの子会社化(直営事業に移管)や既存教室の閉鎖・休校等により期末教室数は前期末比121教室減の1,540教室、期中平均の在籍生徒数は同9.4%減の87,387人、1教室平均生徒数は同3.4%減の54.4人となった。このため売上高は8期連続で減少したものの、販促費が339百万円減少したことによりセグメント利益は2期ぶりの増益に転じた。

売上高の増減内訳を見ると、生徒数減に伴うロイヤルティ売上の減少で247百万円、FC広告売上の減少で136百万円、英語プログラム等のICT系学習サービスを中心としたFC教材売上の増加で103百万円、FC加盟件数増に伴う契約金の増加で67百万円となった。FC加盟件数については教室長が独立するケース、あるいは既存FCオーナーの高齢化によって承継するケースが目立ち、オーナーの若返りが進んだ格好となっている。

明光フランチャイズ事業は個別指導学習塾市場の競争激化によって、1教室平均生徒数の減少傾向が続き、FCオーナーの投資意欲冷え込みとともに教室数及び生徒数の減少が続くといった負のスパイラルが続いてきたが、2019年8月期末の1教室平均生徒数は前期末比0.7人増と9期ぶりの増加に転じている。不採算教室の閉鎖が進んだことが主因だが、サービス品質の向上を図るためFCオーナー、教室長、講師を対象とした各種研修会や勉強会の取り組みを強化してきた効果も出ていると思われる。なお、競合との差別化を図るため直営教室で導入を進めてきた学習指導法「MEIKO式コーチング」※をFC教室でも2019年春より一斉導入した。導入効果が出てくるのはこれからとなるが、今後も「MEIKO式コーチング」の継続により生徒の学力向上という結果を残すことで、新規生徒数の増加や休会・退会率の抑制につなげていく方針となっている。

※「MEIKO式コーチング」とは、「振り返り授業」とeポートフォリオシステム「明光eポ」を組み合わせることで、効果的に生徒の学力向上を実現する学習システム。「振り返り授業」とは講師が生徒に問題のヒントを出し、生徒が自らの力で解答を導き、理解したことを自身の言葉で講師に説明し、振り返りノートに記録することで、学習の理解度をより高める学習指導法となる。「明光eポ」は学習したことや計画等を生徒が記録していく専用アプリで、保護者も子どもの学習状況や成績等をいつでも自身のスマートフォン等を使って確認することができる。


(3) 予備校事業
連結子会社の東京医進学院による予備校事業は、売上高が前期比16.2%減の371百万円、セグメント損失が29百万円(前期は21百万円の損失)となった。医科系予備校においても年々、生徒の獲得競争が激化しており、2019年春も全寮制コース(既卒生)の新規入学者数が低迷したことにより収益悪化が続いた。期末生徒数は前期末比11.5%減の69人となり、直近ピークであった2015年8月期末の153名から半減している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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