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ホットリンク Research Memo(8):マーケティング支援サービスが国内外で本格拡大する見通し


■今後の見通し

2. 事業会社別の見通し
(1) 同社
ホットリンク<3680>本体の2019年12月期の業績は、2018年12月期(売上高1,008百万円、営業損失127百万円)とほぼ同水準で見込んでいる。SaaS事業についてはe-mining事業の売却により減少するものの、SNSマーケティング支援サービスの拡大でカバーする格好となる。SaaS事業のうち、「クチコミ@係長」については引き続き堅調推移を見込んでおり、「BuzzSpreader」については需要が旺盛なSNSマーケティング支援サービスとのセットでの導入を進めていく方針で、売上高は数千万円程度を見込んでいる。本格的に成長するのは運用コンサルティング機能も自動化する2020年後半以降となる見通しだ。SNSマーケティング支援サービスについては引き合いが増えており、前期比5倍増の5億円程度の売上を見込んでいる。また、中長期的には日本でのSaaS事業を東南アジア圏でも展開していくことを視野に入れている。

(2) トレンドExpress
トレンドExpressの2019年12月期の売上高は前期比2倍増となる11〜12億円を見込んでいる。すべてのサービスで伸ばす計画だが、なかでも「トレンドPR」が認知度の向上にともなって引き合いが増えており、売上増のけん引役となる見通し。また、「越境EC X」についても事業体制が整う第2四半期から売上貢献する見通しで、通期で1億円強の売上げを見込んでいる。

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」(2018年4月)によると、日本から中国への越境EC流通額は2017年の1兆2,978億円から2021年には2兆8,487億円と年率22%の高成長が予測されていることからも、「越境EC X」の潜在需要は大きいと見られる。1年前の報告書では年率16%成長(2016年→2020年)の予測だったため、勢いが加速していることになる。中国で個人の消費動向に最も影響を与えるメディアはSNSと言われており、大手中国SNSデータをフルアクセスで収集でき、高度な分析力を用いて最適なプロモーション施策を立案できる同社にとっては、今後その強みがさらに発揮されるものと見られ、クロスバウンドサービス事業の売上も大きく成長していくものと弊社では見ている。

トレンドExpressでは高い売上成長を実現するため人材投資を積極的に実施していく予定で、2019年12月期末の従業員数は前期末の24名から60名まで増員する計画となっている。中国市場をSNSの活用により効率的に攻略したいとする顧客企業は多く、同社ではこれらの潜在的な顧客企業を獲得していくため、積極的な人材投資を行う時期であるとの判断だ。このため2019年12月期も人件費を中心に事業費用が前期比2億円程度増加し、営業損失は前期比数千万円程度拡大する見込みとなっている。

(3) Effyis
Effyisについては売上高で前期比20%増となり、営業利益も増益に転じる見込みとなっている。ミニマムギャランティーは2019年12月期の第2四半期まで続くものの、ストック売上となる月額使用料の増収分が利益増に貢献する。Effyisでは今後も新たなソーシャルメディアのデータアクセス権を獲得していく取り組みを進め、ソーシャルメディアデータの外販企業大手として、その地位を盤石なものとし安定成長を目指していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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