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サイオス Research Memo(6):2019年12月期は先行投資期間と位置付け増収減益を見込む


■今後の見通し

1. 2019年12月期の業績見通し
サイオス<3744>の2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.1%増の13,200百万円、営業利益で同31.2%減の200百万円、経常利益で同32.4%減の210百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同38.0%減の140百万円を見込んでいる。

国内におけるIT投資は「働き方改革」や情報セキュリティ対策、生産性向上などをキーワードに高水準が続く見通しで、同社の売上高も主力製品である「LifeKeeper」やOSS関連商品・サポートサービス、MFP向けソフトウェア製品、「Gluegentシリーズ」などを中心に伸張し、9期連続の増収が見込まれる。一方、利益面では研究開発費が前期比169百万円増加するほか、商品販売の粗利率が前年に引き続き低下基調の見込みであることから、3期連続の減益となる見通し。また、EBITDAベースでも前期比20.2%減の300百万円を見込んでいる。

(1) オープンシステム基盤事業
オープンシステム基盤事業は、主力の「LifeKeeper」やRed Hat, Inc.関連商品、OSS関連商品・サポートサービス等で順調な売上拡大を見込んでいる。一方、利益面では商品販売の粗利率低下や新製品等の開発投資増加が減益要因となる。

「SIOS Coati」については新たに米国でも販売を開始する予定となっている。米国で同様のサービスを行っている企業はなく、販売チャネルを上手く広げることができれば契約社数を加速的に伸ばせる可能性があるだけに、今後の動向が注目される。なお、Red Hat, Inc.が2019年の秋までにIBMに買収されることが決まっている。現段階ではRed Hat, Inc.関連商品の商流に変更はなく、同社業績にも影響はないものと思われる。

(2) アプリケーション事業
アプリケーション事業については、MFP向けソフトウェア製品や「Gluegentシリーズ」が順調に伸びていく見通し。金融機関向けビジネスも、事業環境の不透明さは残るものの、増収を見込む。

MFP向けソフトウェアの注目製品としては2017年12月にリリースした「EASYファクス」(価格5万円)が挙げられる。企業向けのペーパーレスファックスソリューションとして開発したもので、受信したFAX文書を電子化し、自動で送信元情報や受信年月日ごとにフォルダへ振り分けると同時に、リネーム処理を行い、クラウド上への保存も可能となっている。ペーパーレスと同時に従業員の業務効率向上にも寄与し、「働き方改革」を推進するソリューションとして需要が伸びている。また、紙媒体での情報漏えいリスクを軽減するソフトウェア「Log キャプチャ NX Plus」(価格25万円~)の需要拡大も見込まれる。コピーやFAX、プリント、スキャンの内容を画像ログと操作ログ(操作内容、利用情報含む)としてすべて保存するソフトウェアとなる。

今後も企業の「働き方改革」やデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが進展するなかで、業務効率の向上、セキュリティ対策などをテーマに「Gluegentシリーズ」も含めて自社プロダクトの開発を進めていく方針となっている。

なお、PCIについては収益の安定性を向上すべく、従来の売り切り型(パッケージ販売)だけでなく、サブスクリプション型サービスの導入を進めていく方針だ。このため、一時的に見かけ上の売上高は減少することになるが(前受金が増加)、中長期的には収益基盤の強化につながるものと思われる。また、PCIではAI技術を活用した新製品・サービスの開発も進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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