オンコリス Research Memo(4):免疫チェックポイント阻害剤との併用療法での中間発表にも注目が集まる(1)
1. テロメライシン
(1) 概要
テロメライシンは、テロメラーゼ活性の高いがん細胞で特異的に増殖し、がん細胞を破壊する遺伝子改変型アデノウイルスのことで、腫瘍溶解性ウイルス製剤の一種である。テロメライシンの特徴は、正常細胞にもがん細胞にも感染するが、テロメラーゼ活性の高いがん細胞で特異的に増殖することでテロメライシンを複製させ、がん細胞を破壊していくことにある。アデノウイルス自体は自然界の空気中に存在し、風邪の症状を引き起こすウイルスのため、ヒトに投与すると発熱等の症状が出るが、軽度なものであり人体の安全性には問題がないとされている。また、正常な細胞の中では増殖能力が極めて低いため、副作用も少ない。オンコリスバイオファーマ<4588>では食道がんやメラノーマなど固形がんを対象疾患として、開発を進めている。
(2) 開発状況
テロメライシンについては国内と米国、台湾・韓国にて複数のプロジェクトが進んでいる。
a) 食道がん(放射線療法との併用)
2013年より岡山大学医学部で進められた医師主導の臨床研究では、ステージ1~4までの食道がんで外科手術による切除や根治的化学療法が困難な患者(高齢者等)を対象に放射線療法との併用による治療が実施された。治療期間は6週間で、週5日の放射線治療とテロメライシンを合計3回投与し、腫瘍縮小効果を見ると言うもの。臨床研究の結果については2018年7月の日本臨床腫瘍学会で発表されており、完全奏効率※で62%(全13例中8例)、うちステージ2/3の患者だけに絞ってみても57%(7例中4例)となっており、高い効果を得られることが確認された。Uicc TNM 分類 第7版の基準による日本食道学会の過去データ(2009年−2011年)によれば、放射線単独療法による完全奏効率は全ステージで約40%、ステージ2/3に絞ってみると約30%の水準であり、テロメライシンによる薬効の高さが裏付けられた結果となっている。
※治療を受けた患者を分母として完全に腫瘍が消失した患者の割合。30%以上腫瘍が小さくなった患者の割合は部分奏効率と呼ぶ。
同社でも2017年7月から岡山大学の臨床研究と同内容で第1相臨床試験を開始しており(治験施設は岡山大学、国立がん研究センター東病院)、2019年1月末時点で全6例中、4例の組入れが既に完了しており、4例に対して用量制限毒性の報告は受けていない。同社の臨床試験データ(非公式)と岡山の臨床研究データを合わせたステージ2/3の完全奏効率で見れば約60%以上を達成したことになる。
同社は残り2例の組入れを早急に行い、有害事象が発生しなければ2019年中にもステージ2/3の患者を対象とした第2相臨床試験を開始したい考えだ※。症例数は35例、施設数は10施設を想定しており、順調に進めば2年程度で完了するものと見られる。また、早期の上市を目指すため先駆け審査制度を活用する意向で、既に当局への申請も行っている。第2相臨床試験の結果が良ければ、同制度を活用して販売承認申請を行うことも可能となる。2019年末に第2相臨床試験を開始したとすれば2021年末頃に承認申請し、半年後の2022年中頃に承認が得られる可能性がある。また、同社は第2相臨床試験において一定症例数に達した段階で、中間解析結果を発表する予定にしている。課題は被験者のリクルートメントにある。対象が外科手術や根治的化学療法が困難な患者に絞られるため対象患者数が少ないためだ。このため、組入れに時間を要して治験期間が想定以上に長引く可能性もある。なお、第2相臨床試験の費用については35例程度であれば、5億円程度となる見込みだ。
※残り2例で1例でも重篤な副作用が発生した場合は、あと3例追加で組入れる必要がある。
b) 進行性または転移性固形がん(免疫チェックポイント阻害剤との併用)
国内では食道がんを中心とした進行性または転移性固形がんでステージ4の患者を対象に、抗PD-1抗体であるペムブロリズマブとの併用療法による医師主導第1相臨床試験が、2017年12月より国立がん研究センター東病院等で開始している。症例数は最大19例を予定しており、前半の9例は投与量を3群に分けて(低容量、中容量、高容量)、治療期間6週間でテロメライシンを3回反復投与、ペムブロリズマブを複数回投与し、安全性や抗腫瘍効果、免疫応答等を評価する。また、最大2年間の経過観察期間を設けて生存率についても評価する。残り10例については、前半に行った試験のうち高容量群での3回反復投与を1クールとして複数クール行う試験となり、臨床試験の終了予定は経過観察期間も含めれば2020年後半から2021年前半になると見られる。
2018年12月末時点で前半9例の組入れが完了しており、直近は後半の組入れがスタートしている。国立がん研究センター東病院では前半の9例のデータを纏め、2019年3月末に米国で開催される癌学会で中間発表する予定となっている。ペムブロリズマブ単独の治療では部分奏効率が15~18%程度と言われており、併用療法によってこの数値が25%を上回れば、末期食道がん患者の標準治療法としてテロメライシンが採用される可能性があるだけに、その内容が注目される。
また、米国でも2019年春頃よりコーネル大学が中心となってステージ4の胃がん/胃食道接合部がん患者を対象に、ペムブロリズマブとの併用療法による医師主導第2相臨床試験が開始される。症例数は最大37例、施設数は3~4施設を予定しており、期間は3年程度かかるものと見られる。コーネル大学の担当医師によれば、最初の10例程度で3例以上の部分奏効が認められれば企業治験に切り替えて進めていく可能性があると言う。ペムプロリズマブ単剤での部分奏効率が15%程度であり、併用療法で30%を超えれば販売承認を得られる可能性があると考えているためだ。米国でもオーファンドラッグ申請を行っており、申請が認められれば承認審査も迅速化される。中間発表の時期はコーネル大学の臨床試験の進捗具合にもよるが、早ければ2020年春の米国での腫瘍学会、遅くとも秋の欧州での学会には間に合うものと見られる。
こうした日米での開発状況から、同社では食道がんのうち、ステージ2/3の患者についてはテロメライシンと放射線療法との併用療法、ステージ4についてはペムブロリズマブとの併用による局所治療コントロール薬としてテロメライシンの薬事承認を目指し、将来的にはがんを切らずに治す治療法として確立したい考えだ。食道がんは米国で年間約1.7万人(2017年)、国内で約2.2万人が罹患しており、外科手術を行う患者も多い。ただ、外科手術が不要となる治療薬が開発されれば、潜在的なニーズは大きいと言える。同様に現在、根治的化学療法(抗がん剤)と放射線療法の併用療法を行う患者についても、抗がん剤の副作用が強く途中で治療を中断してしまい、結果的に症状を悪化させてしまうケースも多い。テロメライシンは副作用も少ないため、承認されれば放射線療法との併用療法において標準治療法となる可能性があり、食道がんだけでも将来的に数百億円規模の成長ポテンシャルがあると見ている。
c) 肝細胞がん(単剤→免疫チェックポイント阻害剤との併用)
台湾の提携先であるMedigenと共同で2014年より、ステージ3/4の肝細胞がん患者を対象とした第1/2相臨床試験を韓国・台湾で進めている。既に単回投与試験12例を実施し安全性は確認されている。2017年より反復投与試験(2週間おきに3回投与)に入り、6例中5例まで終了している。今後の開発方針としては、免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の検討を進めていくことになりそうだ。
また、中国の提携先であるハンルイが肝細胞がんを対象に、自社の抗PD-1抗体「SHR-1210」(承認申請中)との併用療法で開発を進めていく方針を示している。現在はハンルイで製造したGMP製剤※と同社が製造委託しているテロメライシンとの同等性を確認する作業を行っている段階にある。2019年後半には確認作業を終える予定で、2019年内の臨床第2相臨床試験開始を目指している。中国ではがん疾患の中で肝細胞がんがもっとも死亡者数が多く、治療薬の開発ニーズが高いことから、今後の動向が注目される。また、ハンルイでは岡山大学の臨床研究結果から、食道がん向けについても関心も示しており、同疾患での開発を進めていく可能性もある。
※GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品の製造及び品質管理に関する基準のこと。GMP認定のためには、製造工場ごとに構造や設備の運用・管理、製品の品質・衛生・製造管理などの細部にわたる審査・査察を受け、基準を満たすことが必要となる。創薬においては、GMP準拠施設で製造されたGMP製剤でないとヒトを対象とする治験に適用できない。
d) メラノーマ(単剤)
米国で第3/4ステージの切除不能、または転移性メラノーマ患者を対象とした第2相臨床試験を2017年7月から開始し、現在4例目の投与が完了した段階にある。症例数は最大50例を予定していたが、当初の開発スケジュールから遅延した状況となっている。メラノーマに関する臨床試験が米国で増加しており、被験者のリクルートメントが困難になっていることが要因だ。同社は食道がんや胃がん向けの開発が日米で進んでいること、メラノーマでは既に先発品※もあり競合が激しいことから、臨床試験は4例で一旦打ち切って集計・解析作業に入り、今後の方針を検討していくことにしている。
※米国では腫瘍溶解ウイルス「T-VEC」が既に上市している。
e) その他適応領域
ここ最近になって、複数のアカデミアから他のがん腫を対象とした共同研究に関する引き合いが増えている。具体的には、米国の大学から乳がん(局所再発性乳がん、トリプルネガティブ乳がん)や頭頸部がん、上部尿管がんで免疫チェックポイント阻害剤との併用療法を、国内の大学からは口腔がんやサルコーマ(骨肉腫)※で放射線療法との併用療法による開発の引き合いがきている。同社はこれらすべてに対応することは難しいが、このうち2~3本については年内に臨床研究を開始する可能性があり、既にプロトコルに関して協議を開始している案件もある。同社にとっては開発費負担が増加することになるが、食道がんや胃がんだけでなく他のがん腫においても治療効果が認められれば、テロメライシンの市場価値も向上するため、前向きに検討を進めている。
※全身の骨や軟部組織(脂肪、筋肉、神経など)から発生する悪性腫瘍の総称で希少疾患。
f) 次世代テロメライシン
同社はテロメライシンの第2世代となる「テロメライシンp53(OBP-702)」の開発も今後進める予定となっている。テロメライシンに腫瘍抑制遺伝子のp53を発現するよう改変したアデノウイルス製剤で、30倍の抗腫瘍効果が研究レベルで確認されている。同社では2020年にも前臨床試験を開始する予定にしている。また、2018年に資本参加した米バイオベンチャーのアンリーシュ※ではスーパーテロメライシンの開発を2つの方向性で進めている。1つ目は、抗腫瘍効果の高さを突き詰めた製剤、2つ目がチェックポイント阻害剤との併用において効果を最大限に高めるための機能を備えた製剤となる。まだ研究開発段階ではあるものの、今後の動向が注目される。
※アンリーシュはアデノウイルス研究の専門家であるワシントン大学医学部教授が2015年に設立したベンチャーで、全身投与による転移性腫瘍への適応を目指した遺伝子改変アデノウイルスの開発を進めている。同社が現在、進めている次世代テロメライシンの開発と方向性が同じであることから出資に至った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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