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ネットマーケ Research Memo(3):2019年6月期第2四半期はメディア事業、広告事業とも大幅増収


■業績動向

1. 2019年6月期第2四半期業績
2019年6月期第2四半期の決算は、売上高6,533百万円、営業利益25百万円、経常利益21百万円、四半期純利益9百万円となり、メディア事業において積極的なプロモーション投資を行ったことにより減益となったが、大幅な増収を達成した。第2四半期(累計)の売上高予想6,652百万円に対する達成率は98.2%とほぼ業績予想通りとなったものの、各利益予想が約170百万円の赤字予想だったのに対し、各利益とも黒字で着地した。なお、米国における連結子会社の解散により、ネットマーケティング<6175>は2019年6月期より非連結決算に移行したが、同子会社が2016年6月期の期首より休眠状態にあったことから、2019年6月期以降の前期比較にはほとんど影響がない。

メディア事業の売上高は2,053百万円と大幅に伸長した一方、会員獲得のための積極的なプロモーション投資により、全社費用269百万円を配分していないセグメント損失は18百万円となった。「Omiai」は2018年12月末における累計会員数を前年同期比40%増の378万人と順調に伸ばし、有料会員数は同45.2%増の65,261人、累計マッチング組数は同85%増の2,489万組となった。単四半期で見た場合、売上高は増加となった一方、有料会員の増加数は、2019年6月期第1四半期(2018年7月−9月)が11,095人の増加であったのに対し、759人の増加にとどまった。これは、2018年10月以降、広告手法の多様化や媒体の拡大といった市場環境の変化に対応すべくマーケティングの最適化に取組み、プロモーション戦略を見直した結果であるとしている。なお、前年同四半期における有料会員の増加数も837人にとどまっているように、長期の休日がない10月から12月は有料会員の獲得が進みにくい時期でもある。

広告事業においては、エステティックサロンや人材関連等を扱う「サービス」カテゴリーが引き続き好調に推移した結果、売上高4,480百万円、全社費用を配分していないセグメント利益314百万円と増収増益になった。2018年6月期第4四半期からアフィリエイト広告に次ぐ第2の柱として取扱いを開始したSNS広告も、順調な立ち上がりを示しているとのことである。

2019年6月期第2四半期末における純資産合計は、剰余金の配当等により、前期末比61百万円減少(前期末連結比で52百万円減少)して2,013百万円となったが、自己資本比率は前期末の42.3%(前期末連結では42.2%)から50.0%へ向上した。資産合計は、現金及び預金が268百万円減少(前期末連結比で348百万円減少)、売掛金が535百万円減少したことなどにより同872百万円減少(前期末連結比で863百万円減少)した。負債合計は、買掛金が625百万円減少、未払法人税等が125百万円減少したことなどにより、同811百万円減少した。

2. 2019年6月期通期の業績予想
2019年6月期通期業績の会社予想は、売上高14,465百万円、営業利益373百万円、経常利益372百万円、当期純利益258百万円と、大幅な増収の一方で、減益を見込んでいる。これは、メディア事業において、戦略的なプロモーション投資を予定していることによる。2018年6月期第3四半期までは、メディア事業全体の収益性を損なわない範囲で「Omiai」からの利益を新サービス立ち上げの投資に充てるとともに、予算に対する利益の上振れ分を会員獲得のプロモーション投資に回す考えであったが、市場の成長とそれに伴う競合の動きに対応し、会員獲得を優先させる積極的な方針に変更したものとポジティブに受け止められる。

メディア事業では、積極的かつ効率的なプロモーション投資により、6割増の大幅な増収となる5,000百万円の売上高を見込む一方で、一時的な減益となる300百万円のセグメント利益を見込んでいる。プロモーション投資を増やした2018年5月以降、「Omiai」の月次での新規会員獲得数が増加しており、2019年6月期上半期は月平均9万人を超える新規会員を獲得したことから、投資額に見合う増収効果が得られているものと言える。2019年6月期中の「Omiai」の会員獲得及び収益化に大きな不安材料はなさそうだが、中期経営計画を達成するためには、マッチングサービスに対する認知や関心の低いノンユーザーの掘り起こしを同時に進めていく必要があると同社は感じており、従来とは異なる広告媒体・手法も試していくこととしている。また、2019年6月期下半期は、より集客効率を考えたプロモーション投資を行っていきながら、第2四半期までのプロモーション予算の未消化分の投入も含めて、投資水準を再び上げる考えである。

「QooN」の2019年3月末でのサービス終了を決定したが、当初から「QooN」による2019年6月期中の大きな収益貢献は想定されておらず、通期業績予想に与える影響は軽微であるとしている。

広告事業では、人員増強等の組織力の強化を図りながら、SNS広告市場への本格参入により、16.4%の増収となる9,400百万円の売上高を見込む一方、人件費の増加等に伴い、セグメント利益は前期と同水準の600百万円を見込んでいる。単四半期では、2019年6月期第1四半期に前年同四半期比24.4%、2019年6月期第2四半期に前年同四半期比31.4%の増収を達成したことから、新規の案件やクライアントの獲得は順調に進捗しているものと見受けられ、計画している増収率の達成可能性は高いと思われる。

メディア事業の足元は好調であるものの、2019年6月期はあくまで中期経営計画の1年目と位置付けられており、「Omiai」の業績の上振れがあったとしても、上振れ分は2020年6月期以降の目標達成に資するプロモーション投資に向けられるものと予想されることから、2019年6月期通期の業績はおおむね期首予想どおりに進捗するものと現時点では予想する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)



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