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ナノキャリア---3Qは売上高が142.0%増、損失が大幅に改善。臨床開発推進や新規パイプライン探索などに取り組む


ナノキャリア<4571>は13日、2019年3月期第3四半期(2018年4月-12月)決算を発表した。売上高が前年同期比142.0%増の3.35億円、営業損失が14.73億円(前年同期は46.96億円の損失)、経常損失が14.60億円(同46.51億円の損失)、四半期純損失が14.60億円(同46.31億円の損失)となった。

前年は、遺伝子治療薬「VB-111」の導入一時金などが発生したが、今期は臨床開発や研究推進の費用が計上され、計画通りの進捗となっている。

シスプラチンミセル(NC-6004)は、自社開発製品第一号として自社及びライセンス先との共同開発によりグローバルに開発を推進しており、承認確度の向上を目指し、新たに免疫チェックポイント阻害剤との併用試験を開始する。

エピルビシンミセル(NC-6300)は、米国で軟部肉腫を対象に第1相パート試験において本製剤の安全性及び忍容性が認められ、主要評価項目を達成した。現在、第2相パート試験に移行すべく準備を行っている。なお、本剤はFDAより本適応に対するオーファンドラッグの指定を受けている。

セオリアファーマ株式会社との間で平成30年6月に締結した共同開発契約に基づき、準備を進めてきた耳鼻科領域における新医薬品等の開発候補品は、2018年12月、第3相臨床試験に関する治験計画届書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出し、受理されており、投与開始に向け準備を進める。

遺伝子治療薬VB-111は、導入先のVBL社により、米国を中心とした開発が進んでおり、卵巣がんを対象とした第III相試験も進んでいる。中間解析の結果や、新たに始まる脳腫瘍を対象とした治験や消化器がんを対象とした免疫チェックポイント阻害剤との併用試験などの進捗も併せ、国内開発の方針を決定する。

パクリタキセルミセル(NK105)は、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社から、2018年2月、乳がんを対象に第2相臨床試験を開始した旨発表されている。

研究活動は、抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」に集中し、次世代型DDS医薬品技術として最適化を推進している。技術進化に向けては、共同研究も推進している。JCRファーマ株式会社との間では、同社が持つ「J-Brain Cargo(R)」と当社技術との融合による核酸等を含む脳内デリバリー創薬に関する共同研究を実施している。

事業開発活動は、2018年4月、ノーリツ鋼機株式会社及び株式会社ジーンテクノサイエンスとの間で事業化ノウハウを組み合わせたバイオ事業の創出を目的とした業務提携契約を締結した。

化粧品事業は、アルビオンとの共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売及びカウンセリング販売を行っており、販路拡大に向け活動中。

2019年3月期通期の業績予想は、売上高が前期比82.9%増の4.74億円、営業損失が21.99億円、経常損失が21.88億円、当期純損失が22.45億円とする8月13日に公表した業績予想を据え置いている。



<MH>

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