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日本電技 Research Memo(4):事業環境から引き合いが強かった


■業績動向

1. 2019年3月期第2四半期の業績動向
日本電技<1723>の2019年3月期第2四半期の業績は、受注高17,764百万円(前年同期比11.9%増)、売上高7,502百万円(同4.9%減)、営業損失398百万円(同23百万円増益)、経常損失370百万円(同16百万円増益)、四半期純損失265百万円(同37百万円減益)となった。

受注高は空調計装関連事業、産業計装関連事業ともに増加、売上高は空調計装関連事業、産業計装関連事業ともに減少した。受注に関しては、メーカー各社の好業績を反映して工場に対する増強投資が増えており、これに伴って空調の新設工事が好調に推移した。併せて工場以外の非居住用建築物も高い伸びを示している。好採算物件や既設工事につながる物件に絞って選別してはいるものの、それ以上に企業のニーズが強いと言えるだろう。売上高については、工期の長い物件の受注が多かったことや人件費が高騰していること(建築関連人材のボトルネック)などにより、完成がやや後ろへずれた影響が大きかったと思われる。損益面では、設計の仕様変更や調達などの見直しにより原価率が改善した一方、固定費的側面の強い販管費率は上昇した。四半期純損失のみ拡大したのは、営業外収支の悪化や税負担の増加が背景にある。


空調計装、産業計装ともに受注は順調
2. 2019年3月期第2四半期の事業別業績
空調計装関連事業は、受注高15,557百万円(前年同期比8.3%増)、売上高6,534百万円(同5.3%減)となった。受注工事高は15,409百万円(前年同期比8.4%増)となり、内訳は新設工事4,898百万円(同22.6%増)、既設工事10,510百万円(同2.8%増)だった。新設工事で工場や事務所などの物件が増加、既設工事も工場やデータセンターといった物件が増加した。完成工事高は6,386百万円(同5.3%減)となり、内訳は新設工事2,005百万円(同15.7%減)、既設工事4,381百万円(同0.3%増)だった。新設工事で工場や医療施設・研究施設向け物件などが減少したことが背景にある。制御機器類販売の受注高・売上高は、148百万円(同1.3%減)となった。なお、既設工事は微増だが、物件の価値を維持するためのメンテナンス需要は安定していると言える。一方、産業計装関連事業は受注高2,206百万円(同46.6%増)、売上高967百万円(同2.7%減)となった。受注工事高は2,032百万円(同52.1%増)で、電気工事や地域冷暖房関連設備の計装工事などが増加したことによる。完成工事高は、電気工事等の減少などを理由に793百万円(同3.9%減)となった。制御機器類販売の受注高及び売上高は173百万円(同3.0%増)だった。


繰り越し工事を順調に消化
3. 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期の業績見通しについて、同社は受注高27,300百万円(前期比8.5%減)、売上高27,500百万円(同1.2%増)、営業利益2,750百万円(同0.6%減)、経常利益2,800百万円(同1.1%減)、当期純利益1,900百万円(同7.6%減)を見込んでいる。

都市部を中心に堅調な建設需要が続くなか、繰り越し工事を順調に消化することで増収を確保する考えである。事業別では、空調計装は、受注は先述の選別受注もあり徴減の予想、売上は工期の長い(翌期の売上となる)物件の比率が増加している。産業計装は、全国的展開に向け組織強化と業容拡充を図ることから、受注・売上高とも2ケタ成長見通しである。本部体制整備など基盤を強化する一方、オリンピック関連工事やインフラ工事の本格化を背景に労務費や資材費、外注費がかさむ傾向にあり、営業利益は微減益予想となった。なお、法人税額の特別控除がなくなるため、当期純利益の予想減益幅が大きくなっている。しかし、第2四半期までの受注高や消化状況を見ると、売上高は下期~来期とまだまだ強そうである。このため同社の業績見通しは、現時点でやや保守的と言うことができるかもしれない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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