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ALBERT Research Memo(6):AIネットワーク化社会の実現と非連続的な高成長を目指す


■今後の見通し

3. 新たな成長戦略
ALBERT<3906>は期初に掲げた基本戦略(体制の改編、ケーパビリティの確保、重点産業・顧客のスコープ)がいずれも奏功し、収益体質が大きく改善したことを受け、基本戦略を包含し進化させ、収益を成長フェーズに乗せていくための新たな成長戦略「CATALYST戦略」を打ち出した。CATALYSTとは触媒という意味を持つ。今後のAIネットワーク化社会の到来に向け、各産業間でAI・データシェアリングが進むと見られるが、現在は、企業が個々にAI開発を行っており、産業間をまたぐシステムやサービスの開発を進めるには時間やコストがかかる。同社は各業界の重点顧客と横断的に関わり、AIの実装においてデータシェアリングを前提としたビッグデータ分析、アルゴリズム開発(共同開発プロダクト含む)を提供していくことで、各業界でのAI開発を統合し、開発期間の短縮とコスト低減に取り組んでいく。こうした取り組みを推進することで、AIネットワーク化社会の早期実現に貢献すると同時に、収益成長を加速化していく戦略だ。

例えば、自動運転の際に事故が発生した場合、自動車メーカー(CANデータ※1、プローブデータ※2)だけでなく保険会社(事故データ、与信/査定データ)、通信会社(位置情報)などでデータを収集し、エンドユーザーへ迅速なサービスの提供を実現していくことになる。同社は各業界間でデータシェアリングを前提としたAI・アルゴリズム開発を行っていく。このため、今後も重点産業における大手顧客との取引関係を強化して行く方針で、CATALYST戦略が軌道に乗れば非連続成長(従来の成長トレンドを上回る成長)も実現可能なものになると弊社では見ている。

※1 CANデータ:自動車などの機械の内部で、電子回路や核装置を接続するための通信ネットワーク規格。
※2 プローブデータ:センサーを搭載した自動車を走らせて得られるGPSや速度、走行履歴や車体にかかる加速度などのデータのこと。



■株主還元策
同社では、永続的な利益成長を目指し、その成長に応じて株主への利益還元を行っていく方針だが、現段階では収益成長を図っていくための内部留保の充実、並びに成長に必要となる投資に優先的に資金を投下し、企業価値を高めていくことが重要との判断から、配当については無配を当面継続することとしている。今後、収益成長により内部留保が充実した段階で、改めて配当については検討していくことになる。


■情報セキュリティ対策
同社では、情報セキュリティ及び情報保護に対する対策は経営の最重要課題の1つとして位置付けており、体制の強化や社員教育を通じて、システムとデータの保守・管理に万全を尽くすとともに、プライバシーマークの認定を取得しているほか、社内規定に従って個人情報の取扱いへの対応も実施している。今後は情報セキュリティマネジメントの国際規格でもあるISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)についても認証の取得を検討している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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