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アエリア Research Memo(3):3事業とも収益順調


■事業概要

1. 事業内容
アエリア<3758>の2018年12月期第1四半期セグメント別売上高構成比は、ITサービス事業25%、コンテンツ事業40%、アセットマネージメント事業35%である。ITサービス事業は、ファーストペンギンとエアネットがともに安定収益を続けている。コンテンツ事業は、ターゲットを女性にフォーカスした(株)リベル・エンタテイメントと(株)アスガルドのゲームや物販が好調に推移した。特に2017年はスマートフォン・ゲームの「A3!」が大ヒット、2018年も引き続き人気となっている。アセットマネージメント事業は2017年にスタートしたばかりだが、民泊が楽しみな一方、投資用不動産の動きが活発である。


安定収益源だが、ファーストペンギンに積極的な動き
2. ITサービス事業
ITサービス事業では、データサービス事業のエアネットとアフィリエイトプラットフォーム事業のファーストペンギンが主力の2社ということになる。そのほか、システムソリューションやコンサルティングを行う(株)グレイセルズ、ソーシャルアプリの開発やソーシャルメディアの支援をするサイバー・ゼロ(株)などがある。

(1) エアネット
クラウド型メールソリューション「ALLinOneメール」や飲食店向けクラウド型予約管理システム「リザーブキーパー」などを法人向けに提供している。データセンターを中心とした事業のため、安定した収益を確保することができる。サービスは大きくビジネスクラウド、マネージドホスティング、ISP(インターネットサービスプロバイダー)サービスに分けられる。ビジネスクラウドでは、「ALLinOneメール」、「リザーブキーパー」のほか、No.1グループウェアと言われる「サイボウズOffice」などを扱っており、マネージドホスティングでは、エアネット独自のオンラインストレージサービスを搭載した「WEBooth(ウェブース)」を提供している。そのほかISPサービスではドメイン登録サービスなどを提供している。

(2) ファーストペンギン
アフィリエイトプラットフォーム事業や広告事業、コンテンツ制作・販売、メディア運営、海外貿易事業、海外就職支援事業、国内就職支援事業などを多角的に行っている。なかでも、情報商材(情報教材)を販売するポータルサイト「infotop」を運営する、アフィリエイトプラットフォーム事業が主力である。なお、業績は高収益かつ安定している。

アフィリエイトプラットフォーム事業は、楽天市場に似たビジネスモデルになっている。楽天市場は非常に多くのカテゴリーを扱うECモールで、販売者と購入者の間の情報を楽天市場が囲い込む一方、物流や商流(決済)は売買の当事者任せである。これに対し「infotop」は、情報商材※1という単一カテゴリーを扱うECモールで、情報(デジタル)のみならず物流も商流(決済)もすべてを囲い込んでいる。つまり、ファーストペンギンが販売者・購入者・紹介者を仲介し、販売者と紹介者の間の売上げや報酬支払の管理、販売者と購入者の間の決済や商品引渡し代行などを担っているのである。このように流通のあり方の違いは大きいが、最大の違いは、楽天市場にはない紹介者(アフィリエイト※2パートナー)の存在である。紹介者が介在することによって、非常にロングテールの情報商材も検索性が高まる。こうした点で「infotop」には、かつてロングテールを推していた頃の楽天市場のような、混沌とした楽しさがある。このため、「infotop」に登録している販売者・購入者・紹介者は累計200万人以上、販売される商材も6万件を超え、生活に役立つあらゆるカテゴリーを網羅し人気になっている。また、銀行振り込み、クレジットカード、Bitcash(電子マネー)、コンビニ払いなど、多彩な決済サービスを利用できることも特徴の1つである。

※1 情報商材:主にインターネットなどを介して売買される情報のこと。情報の中身自体が、語学習得や資産運用、自己啓発などの商品となっている。まれにねずみ講まがい、詐欺まがいのものがあると言われるが、同社の場合、厳格な審査をしているため、そうした販売者が紛れ込む余地は非常に小さいと言える。
※2 アフィリエイト:ブログやメルマガなどで商品を紹介し、そこから購入に至ると、販売者から報酬がもらえる広告手法のこと。アフィリエイトパートナーは一般のアフィリエイターと異なり、ビジネスに組み込まれている。


2018年5月、ファーストペンギンは、グローバルスタンダードの決済代行サービス「AquaGates(アクアゲイツ)」を本格稼働させた。12年以上の長い間、「infotop」で個人や法人に対して決済手段を提供してきたため、越境ECやCtoC、既存にないサービスなど、従来では判断が難しかった商材に対する独自で柔軟な審査基準を有している。こうしたノウハウを生かし、既存の事業者では難しかった法人から個人の副業までの決済をカバー、特に副業や兼業、フリーランスといった与信を受けるのが難しいユーザーに対応することで、2018年中に200社への導入を予定している。決済手段はクレジットカードや電子マネー、携帯キャリアなど幅広いラインナップをそろえているが、足元でプリペイド型電子マネー「ビットキャッシュ」やAurfy Japanが提供する「nihao pay(ニーハオペイ)」、決済URLを即時発行し、すぐ使える決済サービス「SWIFT PASS(スイフトパス)」の導入を決定するなど、新たな決済手段を積極的に導入しており、将来的には仮想通貨や外貨などにも対応していく考えである。また、こうした利便性が評価されたためと思われるが、「AquaGates」の最初の1ヶ月の導入契約件数が50件と、当初計画の3倍という好スタートとなった。

このほか、最近動きが目立っているのが海外就職支援事業である。主力サービスである「CoCoCarat(ココカラット)」は東南アジアに特化した就職支援サービスで、東南アジア主要7ヶ国の人材紹介会社とパートナーシップを締結し、現地の紹介会社への求職者登録を代行している。2018年2月、同サービスの顧客向けに、新たにオンライン英会話サービス「ココカラット英会話」の提供を開始した。グローバル企業であるコニカミノルタ<4902>の「KONICA MINOLTA オンライン英会話」と同じ内容で、コニカミノルタが長年培ったグローバルコミュニケーションのノウハウを生かしており、実践的なビジネス英会話レッスンになっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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