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リネットジャパン Research Memo(7):3つの事業を柱とした収益構造の転換と成長加速を目指す


■成長戦略

リネットジャパングループ<3556>の成長軸は、1) ネットリサイクル事業による長期収益の確保、2) カンボジア・ファイナンス事業における収益の大幅拡大、3) ネットリユース事業における安定収益化の3つである。

1. ネットリサイクル事業による長期収益の確保
許認可の取得、宅配便会社及び全国自治体との提携、規模の経済という3つのポイントを抑えた同社にとって残された課題は、いかに消費者(国民)の機運を高め、サービスの認知や利用促進を図るかにある。これまでは、全国自治体との提携を含めて、プラットフォームの完成度を高めることに注力していたことや、同社単独による広告宣伝活動(新聞広告やネット広告等)では予算面も含めて制約があったことなどから、本格的な啓蒙活動や業績の伸びを実現するには至っていない。ただし、前述のとおり、2017年4月1日より開始された東京オリンピック・パラリンピックに向けたプロジェクトの広がりが、同社にとって最大のチャンスになる可能性がある。本件により、国民への制度(小型家電リサイクル法による体制整備)の周知や「都市鉱山」としての理解が進む新しいフェーズに入っていくものと期待される。同社は、2020年9月期の到達イメージとして、年間100万台から200万台のPCの回収(前期実績は推定10万台程度)を目標としており、実現すればサービス収入で稼ぐ高収益モデルであるがゆえに、収益性が一気に向上する可能性がある。また、将来的には、集客チャネルの多様化(リユース事業との送客シナジーを含む)や回収品目の拡大による成長加速を目指している。特に、家電のIoT化を見据えたプラットフォーム(リサイクルとセキュリティの回収インフラ)への進化も視野に入れている。

2. カンボジア・ファイナンス事業における収益の大幅拡大
「カンボジア・ファイナンス事業」については、車輛販売事業とファイナンス(リース)事業とのシナジー創出に加えて、マイクロファイナンス事業が新たなドライバーとして加わった。本格的な業績の寄与は、許認可の取得や買収手続きが完了する来期以降となるもようであるがポテンシャルは大きい。特に、自動車等のリース事業は、需要が大きく、与信管理の仕組みにも合理性があることから、軌道に乗ってくれば、「ネットリユース事業」、「ネットリサイクル事業」と並ぶ3本目の柱となる可能性が高い。また、マイクロファイナンス事業についても、既に自走している事業の獲得であり、事業としての収益性や安全性の高さ(延滞率の低さや分散効果)は実証されているほか、現地における社会貢献(ブランディング効果を含む)や他のアジアへの展開においても大きな効果が期待できる。現時点では、具体的な業績(財務)への影響や今後の事業計画の開示はないが、今後の動向が大いに注目される。

3. ネットリユース事業における安定収益化
「ネットリユース事業」は、「ネットリサイクル事業」とのシナジー創出(特に、送客シナジー)のほか、高効率経営による残存者利益の享受により持続的な成長を目指す戦略である。また、新たなカテゴリー分野の開拓などにも取り組む方針のようである。

弊社でも、「都市鉱山」として潜在市場が大きい上、参入障壁が高く、競合のないビジネスモデルである「ネットリサイクル事業」や、経済成長が著しい「カンボジア・ファイナンス事業」が、これからの同社の成長を大きくけん引するものと評価している。一方、「ネットリサイクル事業」における課題は、いかに消費者(国民)の機運を高め、サービスの認知や利用促進を図っていくのかにあるが、東京オリンピック・パラリンピックに向けたプロジェクトの動向が今後の試金石になるものと考えられ、その効果やスピードに注目している。「ネットリサイクル事業」が本格的に成長軌道に乗ってくれば、これまでとは違った高収益モデルであるがゆえ、同社の収益性が一気に向上する可能性がある。また、「カンボジア・ファイナンス事業」については、まだ具体的な事業計画の開示がないことから、現時点では事業拡大に向けた時間軸など不透明な部分が多い。ただ、こちらも潜在的な市場が大きい上、与信管理の仕組みにも合理性があることから、軌道に乗ってくれば3本目の柱となる可能性は高い。したがって、今後の進捗を注意深く見守る必要があるだろう。また、事業構成の変化が、収益構造や財務内容に及ぼす影響にも注意が必要である。


■株主還元
当面は配当見送りとなる可能性が高いが、会員基盤の増強を目的とした株主優待制度を導入
同社は、成長加速に向けた投資フェーズにあることから配当の実績はなく、2018年9月期についても無配を予定している。弊社でも、「ネットリサイクル事業」の本格稼働や「ネットリユース事業」とのシナジー創出、「カンボジア・ファイナンス事業」の立ち上げに投資を優先すべきステージにあることから、しばらくは配当という形での株主還元は見送られる可能性が高いとみている。

なお、同社は株主との関係づくりと会員基盤の増強を目的とした株主優待制度を導入している。1単元(100株)の保有で、半期で最大11,000円分(査定金額UP10,000円+お買物券1,000円)を贈呈する内容(継続保有期間2年以上でさらに充実)となっている。

(執筆:フィスコアナリスト)



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