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サイネックス Research Memo(10):下期偏重の収益の季節性。今通期の業績見通しが達成される可能性は十分高い


■今後の見通し

2018年3月期通期(連結)についてサイネックス<2376>は、売上高14,000百万円(前期比5.3%増)、営業利益820百万円(同1.6%増)、経常利益860百万円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益560百万円(同0.1%増)を予想している。これらの業績予想は期初予想から変更はない。

前述のように、今第2四半期(上期)の進捗率が低かったため、通期予想達成のための下期のハードルが高くなっている。しかしながら、弊社では今通期の会社予想が達成される可能性は十分にあると考えている。

今上期の進捗率が低かった最も大きな要因は、『わが街事典』の納期が下期にずれ込んだものが複数案件あったためだ。『わが街事典』の売上計上は下期に多くなる傾向がある。同社は2018年3月期通期の『わが街事典』発行自治体数について、前年並みか少し増える程度を見込んでいると弊社では推測している。これが正しければ下期の発行自治体数が105を超えてくることになるが、自治体の都合で発行が下期にずれ込んだものは、同社の作業自体はほぼ完了しているため、工場の生産能力や稼働率の点でマイナス影響をもたらす懸念はないと弊社では考えている。

『わが街事典』と並んで同社の収益の柱を形成している『わが街ふるさと納税』も下期偏重だ。納税の年度の区切りが1月~12月であるため、年度末の12月に納税が集中する傾向があるためだ。国全体のふるさと納税額がまだ成長を続けているため、今通期の同社の収益も成長が続くと弊社ではみている。

ロジスティクス事業もまた、年末年始の繁忙期を抱えて、収益は下期偏重という季節性がある。今上期はゆうメールの料金改定の影響もあって、一時的に需要が低下し減収につながった。その後は、DM需要は順調に回復しており、ロジスティクス事業の今通期の収益は前期並みの水準を確保することも十分可能だと弊社では見ている。前回のレポートで述べたように、今のDMは、ECビジネスのためのものがほとんどだ。すなわち、紙媒体のDMと消費行動におけるECとは、代替関係、競合関係ではなく補完関係・協業関係にあるということだ。ECの高成長が続いていることは広く知られているが、それに伴いDM需要も着実な成長が続くと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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