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ワコム Research Memo(12):2018年3月期下期はオウンゴールをなくす企業体質づくりの進展に注目


■中長期の成長戦略

3. 2018年3月期下期の注目点
新中期経営計画発表までの2018年3月期下期に、投資家として注目すべきは、前述の“土台作り”の進捗状況であると弊社では考えている。

この場合の“土台作り”について、弊社が意図するところは「2017年3月期の業績悪化の過程で明らかになったワコム<6727>が克服すべき課題について改善を進めていくこと」というものだ。

同社が抱える大きな課題の1つに、同社の一連の業務プロセス各所にみられる、人的・物的キャパシティと新製品の開発・生産計画のミスマッチがあると弊社では考えている。無理な新製品投入を計画したもののキャパシティ不足のために計画が遅れ、結果的にそれを前提にした業績計画が未達に終わったというのが2017年3月期決算の構図だったというのが弊社の理解だ。直接的な新製品の開発・生産以外にも、マーケティングやグローバル組織体制、コスト管理など、改善を要する部分は多岐にわたっている。一朝一夕に解決するものではないが、それだからこそ下期から新社長のリーダーシップのもとでわずかずつでも改善を図っていく必要があるのではないかと考えている。

“土台作り”の進捗度に関する測定・評価について、弊社では下期の業績予想の達成度合いが最も有力な判断材料になると考えている。また、傍証となる具体的事象としては、クリエイティブ製品の中の大型サイズのディスプレイ新製品のリリースのタイミングや、欧州における販売の回復度合いなどを考えている。

ペンタブレット製品の技術力や製品の競争力、ブランド力において、同社の圧倒的世界No.1というポジショニングは従来からまったく変わっていないというのが弊社の評価だ。2017年3月期の業績悪化は、サッカーのオウンゴール的なものだったと弊社では考えている。得点力を上げるための成長戦略が重要なのは言うまでもないが、オウンゴールをしない企業体質づくりもまた同じくらい重要だと弊社では考えている。新中期経営計画については“オウンゴール撲滅”の視点からも注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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