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U&C Research Memo(10):2020年末に店舗数200店を目指すが、売上・利益の成長も期待される


■中期経営計画

2. 中期成長のイメージ
店舗数以外、ユナイテッド&コレクティブ<3557>による具体的な中期経営計画の目標数値がないので、中期成長をイメージしてみる。既に席稼働率が高水準にある既存店は大きく伸びないと考えられるため、出店が同社の売上成長をけん引することになる。足元の居酒屋業界の環境は最悪期を脱しつつあると言われるが、改善というにはまだ元気がなさすぎる。このためか、数店まとめて売却するなど居抜き物件が少なからずマーケットに出てくる。同社もこうした状況に対応して物件開発体制を強化した。また、「theサードバーガー」は、ハンバーガーショップだけに居酒屋以上に案件が出てくる可能性がある。こうした出店のチャンスを背景に同社想定どおり2020年末に200店を達成できるとすれば、今後30店、40店、50店と年々出店スピードを加速することになる。しかしその際、郊外立地の「てけてけ」や「theサードバーガー」での出店も増えることになり、現在1店当たり1億円の年商は今後やや縮小していくものと思われる。それでも、2020年には100億円台後半にまで売上高が拡大すると推測される。

生鮮品価格の不安定などから、原価は今後も圧迫されるということを織り込む必要があるだろう。しかし、原材料を海外から直接大量調達するなど規模拡大で得られるメリットは大きく、そろそろ同社もそうした域に入る時期と考えられる。業界で最大のリスクと言われる少子化による人件費の上昇については、同社の教育・免許制度に支えられる技術・サービス力に加え、タブレットオーダー端末や自動レジなどによる労働生産性の改善が効果的である。人件費以外では、1年前に更新されたばかりの新業務システムの効果はさらに期待でき、広告費は既にSNS※へのシフトが進んでおり、本部費は企業規模拡大とともに比率の改善が進むと思われる。このように販管費率は、どちらかというと下がる傾向が続くと考えられる。つまり、原価率も販管費率も今後中期的に改善していくことが見込まれることから、利益成長は売上成長以上に強まる可能性があると推測できる。

※SNSは広告以外にも、インスタグラムなどに定点観測システムを導入して顧客のニーズやウォンツをウォッチし、戦略に反映させるマーケティングツールとして利用されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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