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ビジョン Research Memo(4):Webマーケティング、テレマーケティング、直接営業の三位一体が強みの源泉


■会社概要

4. 強みとリスク
(1) 強み
ビジョン<9416>の情報通信サービス事業における強みは、Webマーケティングで集客し、テレマーケティング(コールセンター)でユーザーを絞り込み、同社の営業及びパートナー企業との連携により全国規模でユーザーに直接営業する三位一体の体制となっていることが挙げられる。このため、通信サービスに対するユーザーニーズを早い段階で的確に把握でき、様々なサービスをタイムリーにユーザーサイドに立った視点で提供することが可能となっている。特に、BtoB商材の優れたWebマーケティング力を背景として、市場の興味の高い商材を発掘し、ニーズが顕在化して受注確率の高い問い合わせを多く得る仕組みが生み出す高成約、結果として業界水準より高い販売量、高い獲得手数料というポジティブなスパイラルを生み出している。

さらに、事業部間で顧客の紹介を積極的に行う体制となっていることも強みで、市場の成熟化と競争激化が進む環境下で競争力を維持する原動力になっていると考えられる。加えて、メインターゲットがスタートアップ企業で、これら企業の成長に合わせて受注を積み上げていく継続型ストックビジネスモデルであることはユニークで、同社の大きな特徴となっている。

グローバルWiFi事業においては、価格面での優位性もあるが、Webマーケティングによる集客力、通信品質やサービスに秀でている評価をもとに積み上げている顧客基盤にある。スピーディーな海外展開によって業界最多クラスとなる世界200以上の国と地域にサービスエリアを広げ、また、高速通信規格4G-LTEサービスの対応国や1日当たり500MBまたは1GBという大容量プランを利用可能な国と地域の数も業界最多としていること、加えて24時間365日のサポート体制の確立や空港カウンターの設置数も業界最多とするなど、サービスの品質と利便性の向上を追求してきたことが顧客支持を集め、シェアの拡大につながった要因と考えられる。

(2) 競合
グローバルWiFi事業に関しては、携帯電話レンタル事業も手掛けているエクスコムグローバル(株)や(株)テレコムスクエアなどを競合企業として挙げることができる。海外向けWiFiレンタルサービスとして同社は後発ながら、現在の業界シェアは約5割とトップシェアの地位を確立していると見られる。なお、全レンタル数におけるリピート顧客の比率は5割を超えており、高い顧客満足度を示す格好となっており、安定した収益基盤となり、成長を下支えしている。

一方、情報通信サービス事業における競合は多く、上場企業では大塚商会<4768>、光通信<9435>、フォーバル<8275>などが挙げられる。ただ、同社のように顧客開拓の主要ターゲットをスタートアップ、ベンチャー企業に絞っていること、Webマーケティング、テレマーケティングと直接営業のハイブリッドによる事業展開をできているところはほとんどなく、こうした観点で直接競合する企業はない。

(3) 事業リスク
事業リスクについて見ると、グローバルWiFi事業では予期せぬテロ、自然災害、疫病等により、特定の国、地域への渡航の動きが一時的に停滞するようになった場合に、業績にマイナス影響を受ける可能性がある。また、世界各国の通信キャリア等からデータ通信サービスを仕入れているため、通信キャリア等の事業方針の変更により、同社グループが従前より不利な仕入条件に変更を余儀なくされる可能性があることもリスクとして想定される。ただ、取引量が拡大しているなかで条件が不利になる可能性は極めて低いと言える。

情報通信サービス事業では、通信サービスへの加入契約の取次ぎ等において、光通信のグループ子会社である(株)メンバーズモバイルなどを一次代理店とした契約形態となっている。2016年12月期における光通信グループへの依存度は、売上高で25.5%、売上原価で21.3%とここ数年は低下傾向になっているとはいえ、依然一定水準以上となっており、光通信グループの経営施策が変更になった場合に影響を受ける可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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