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夢展望 Research Memo(11):販路別・顧客属性別MDやCRM/MAの強化で売上成長の加速を狙う


■中長期の成長戦略

2. 既存セグメントの強化による成長
既存セグメントの強化による成長に向けて夢展望<3185>は、1)各販路の顧客属性に即したMD強化、2)新規販路開拓、3)CRMとMA(マーケティングオートメーション)の強化、4)グループ・シナジーの取り組み強化の4点に注力している。

(1) 各販路の顧客属性に即したMD強化
業績回復に向けて同社が最初に取り組んだのは“ランキングMD”だ。これは同社が出店する各ECモールのトップページに掲げられている“売れ筋ランキング”や“人気アイテムランキング”に自社商品をランクインさせ、それを実販売に結び付ける戦略だ。豊富なECノウハウを有する同社は、一押しの商品を着実にランクインさせ、売上げの回復に結びつけてきた。

今後はさらに各EC店舗の顧客属性(年齢・売れ筋ブランド)に合わせた商品構成や、月別の仮想BEST30に合わせた縦積み施策などを通じて、ランキングインの商品点数の増加やランキング上位の獲得を実現し、顧客数増加及び売上増加につなげる方針だ。この施策の具体的成功例としてはZOZOTOWN店売上高推移がある。同社は2016年4月に新規販路拡大の一環でZOZOTOWNに出店したが当初の月商10百万円が、1年後の2017年3月には29百万円と約3倍に増加した。

(2) 新規販路の開拓
新規販路の開拓については、2016年4月のZOZOTOWNに続いて2017年5月末から「MAGASEEK」と「d fashion」に出店した。ECにおいては手数料の支払いがない自社サイト(本店サイト)での販売が最も効率性が高いが、自社サイトへの集客を軌道に乗せるには時間を要する。そのためECモールの活用は重要な戦略だ。多数の業者が乱立するモール内で埋もれてしまわないためには前述のようにランクインする商品を創り出すことが重要なことは言うまでもない。

(3)CRMとMAの強化
同社はEC企業であるため、顧客の購買行動等についてデータの収集と分析をやりやすい立場にある。また顧客の氏名・連絡先を100%把握できる点も店舗販売にはない強みだ。それを生かしたCRMとMAの強化は、同社にとって大きな武器になると期待される。

CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)が重要な理由は、リピート率を高めてLTV(Life Time Value、生涯売上高)の増加を図る上で不可欠の要素だからだ。同社では、リーセンシー(最後の購買からの経過時間)を基準とした離反防止メールや、購買特性によるリコメンデーション(商材の推奨)の実行などを具体的アクション例として挙げている。

MA(Marketing Automation)は、本来的には見込み客の育成・管理を目的とした業務の効率化を図るツールだが、顧客データ管理や分析という点でCRMと重なる部分も多い。同社は新興企業ながら評価の高い(株)フロムスクラッチから、MAソフト“b→dash(ビー・ダッシュ)”を導入している。b→dashはデータマネジメント、マーケティング、分析といった、マーケティング活動に必要な機能をすべてカバーしており、同社のCRMシステムを補完しながら収益拡大に貢献することが期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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