CDG Research Memo(2):販促用グッズの販売からセールスプロモーションのソリューションカンパニーへと成長
1. 会社沿革
CDG<2487>は1974年4月の創業で和用紙の加工販売からスタートし、その後に企業の販促用グッズとしてポケットティッシュの製造販売やその他の販促用グッズ(メモ帳など)、景品などへと取扱商品を拡大していった。当初は大手広告代理店や印刷会社の下請け的な存在であったが、1996年頃から顧客企業との直接取引を開始したことで売上規模が拡大し、2006年6月にはジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ市場)に株式上場を果たすまでに成長した。
また、2012年3月には米国の日系現地企業の販促支援や映画コンテンツ、先進的なセールスプロモーション手法の情報収集などを目的に、CDG Promotional Marketing Co., Ltdを子会社として設立したほか、2013年10月には地域特産品の商品開発・販売支援事業を手掛ける(株)ゴールドボンドを完全子会社化するなど、更なる成長に向け積極的な事業展開を進めている。2017年2月には東京証券取引所第1部に市場変更している。
なお、社名のCDGの由来は元々の会社名である「クリエート(Create)」と、「顧客に夢を提供する(Dream)」「グローバル企業に成長する(Global)」の3つの頭文字を採ったものである。
2. 事業内容
同社グループは、同社と連結子会社3社((株)岐阜クリエート、ゴールドボンド、米販売子会社)で構成されている。事業としては、企業が販売活動として行うセールスプロモーション(以下、SP)活動の中で使用する販促用グッズの企画及び製造・販売を主にマーケティング支援事業を展開しており、取引先は約2,000社に上る。
企業のSP活動とは、企業が売上高の目標達成やマーケットシェア向上を目的に、消費者の購入を促進するための販促グッズの配布、特定期間に実施する販売キャンペーンなど、商品の売上げに直結するような販売促進活動を指す。販促用グッズには様々なアイテムがあり、同社はこうした販促用グッズやキャンペーンなどを顧客企業に企画提案し、受注につなげていくビジネスモデルとなる。受注を獲得するためには、売上増に貢献する魅力ある企画力だけでなく、短期間で一定品質以上の販促用グッズを調達し、顧客企業に納入する商品調達力が必要となる。同社ではグッズに関してはすべて外注しており、外注先は国内に約600社あるほか、中国からの仕入れも行っている。中国からの仕入率は金額ベースで全体の約10%(2017年3月期実績)となっており、このうち直接仕入れが半分程度で、残りが商社経由の調達となっている。
同社の売上高の約60%は販促用グッズで占められるが、その他にも店舗内に設置するPOPの企画などのインストアマーケティングや、企業のブランドイメージ向上につながるユニフォームの企画・販売、大手SNSを活用したデジタルプロモーションなどを中心に、商品開発、ライセンス管理、サンプリング、イベント、販路開拓など、様々なマーケティングソリューションを提案する体制を整えており、総合セールスプロモーションのソリューションカンパニーとして事業拡大を推進している。
3. 市場規模と競合、同社の強みについて
同社が主力とする販促用グッズの国内市場規模は年間で3,000~5,000億円規模とみられており、同社の市場シェアは2~3%程度と見られる。また、マスメディアやコンテンツまで含めたSP市場全体の規模は10兆円を超えており、これらが同社の事業領域として位置付けられる。こうした企業の販促活動にかかる予算は、業績動向に影響を受けやすい。業績が好調なときは販促費も積極的に投下される傾向にあり、同社にとっても追い風となる。
販促用グッズ市場における競合企業としては、大手広告代理店や印刷会社、百貨店の外商部門のほか数多くの企業があり、競争が激しい業界となっている。同社では消費者目線に立った販促プロモーションの企画・運営能力や、販促用グッズの国内外にわたる調達ネットワーク力、生産・品質管理能力だけでなく、SNSなどのデジタルプロモーションも融合した総合的な提案を行えることを強みとしている。大手広告代理店でも同様のリソースはあるものの、マスメディアを活用した提案に偏りがちで、実際の販売現場において直接的な売上増効果につながる販促プロモーションの企画力に関しては、同社が強みを発揮する分野となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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