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アドクリ Research Memo(6):Webマーケティング戦略の強化と、資産管理型営業に注力することで成長を図る


■今後の見通し

2. 今後の戦略について
(1) マーケティング戦略
改正保険業法の施行によって銀行窓販では保険商品の手数料が開示されるようになり、今後は代理店手数料率やボリュームインセンティブ等の見直しが進むことが予想される。また、2017年春以降は保険商品の販売時における顧客への金券類の提供や各種ポイントの付与などの自粛が決まったこともあり、保険代理店を取り巻く環境はさらに厳しさを増している状況となっている。

こうした市場環境下で、保険代理店の淘汰が進むと見られるが、アドバンスクリエイト<8798>は「保険市場」という圧倒的な集客ツールを持っていること、また、対面販売や通信販売、協業店といった多様な販売チャネルを構築していることなどから、今後もその強みを生かして業界内シェアが上昇していくものと弊社では予想している。逆に言えば、「保険市場」という集客ツールの強みを今後も維持できるかどうかが重要なカギを握るとも言える。このため、同社では「保険市場」の媒体価値の向上に取り組んでいるほか、アクセス数を増やすための新たなマーケティング施策も積極的に実施している。最近ではSNSやビッグデータなども活用したマーケティング施策を取り入れており、その効果も出ている。今後もWebマーケティング施策を強化し、見込み顧客の獲得を進めながら販売増につなげていく戦略だ。

また、自社の対面販売については、現在の12店舗体制を維持し、金融リテラシーの高いアッパーミドル層を顧客ターゲットとしていく戦略に変わりない。ただ、代理店手数料率の低下が見込まれるなかで、今後は1顧客(世帯)当たりに販売する保険商品を増やしていくことで、収益を維持拡大していく方針となっている。現在は生命保険を中心に販売しているが、火災保険や自動車保険などの損害保険についても販売し、顧客のすべての保険商品を取り扱う資産管理型営業にシフトしていく。損害保険商品についてはネット完結で契約する顧客も多いが、同社は顧客ニーズをヒアリングしながら最適な保険商品を提案し、販売契約に結び付けたい考えだ。同社の保険代理店事業に占める損害保険商品の比率は1割強とまだ低く、これを将来的に2~3割まで引き上げていくことを目標としている。こうした取り組みの成果が出てくれば、保険代理店事業の成長期待も高まることになる。

(2) 投資戦略
投資戦略としては、従来と変わらずIT・システム投資と人材投資を強化していく方針となっている。IT・システム投資では、「保険市場」の利便性向上につながる投資を継続的に実施しているが、ここ最近はAI技術の導入も進めている。具体的には、チャットボットを導入し、コールセンターにおける業務負担の軽減を図っている。今後もAI技術やディープラーニング技術を活用することで、プロモーション効率の向上を進めていく計画となっている。また、FinTechについても研究を進めている段階で、今後、事業活動の中で取り入れていきたい考えだ。

人材投資では新卒・中途社員の採用活動を強化していくほか、福利厚生制度の充実も進めている。2017年4月の新卒社員数は20名(前年は24名)となり、2018年も同程度の採用を進めていく予定となっている。また、働き方改革の一環として、有給休暇の取得促進並びに残業時間の削減に取り組んでいる。

(3) 管理体制の強化
管理体制の強化についても継続して実施していく方針だ。改正保険業法に対応したシステム開発や各種研修を継続的に実施しているほか、ガバナンス体制やコンプライアンス体制についても強化していく。また、情報セキュリティ対策についても個人情報保護の管理体制を厳格化し、情報漏えいを防ぐ体制を構築する。また、提携店についても個人情報管理体制の水準向上を目的に、監査法人のトーマツと同社のダブルチェックで定期的に検査を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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