アドバネクス Research Memo(4):“グローバルニッチ”のブルーオーシャン戦略(2)
3. 技術を軸とする拡大・深耕
「金属加工総合メーカーへの挑戦」を掲げ加工技術を積み上げてきた同社は、2015年3月にプラスチック事業を行うグループ会社を手放したが、金属プレスと樹脂射出成形を組み合わせて製造するインサートモールドは残した。 一方、 細物深絞り加工分野で日本有数の技術力を有する船橋電子を2014年4月に買収し、事業統合した。深絞り加工技術は最新鋭の埼玉工場に導入されており、ゆくゆくは中国や英国などの海外工場でも展開する。現在、線ばね、板ばね、インサートモールド、深絞りなどの加工技術を使用している。
同社は、競争上の優位性を確立するために、ばね技術を応用した技術開発や特異な加工技術を持つ企業の買収などを行ってきた。その結果、新しい加工方法を従来製品の代替品として適用することで、製造時間の短縮化とコスト削減に成功している。新しい加工法の有用性を認識した顧客から、新たな開発依頼が来るという好循環を生み出す。
(1)自動車用部品
同社は、「エリア」「顧客」「領域」「加工技術、製品」の4つの軸をそれぞれ伸ばし、事業の“面積”を拡大する事業戦略を取っている。自動車市場では、同社の強みが発揮でき、また難易度と品質厳格度の高い分野に参入領域を拡大してきた。
2000年の参入当初は、線ばね、板ばね、フォーミングなどの加工技術を使用して、オプション系のカーナビなどのカーエレクトロ二クスやアンテナに領域が限定されていた。エリアは、日本とタイであった。参入領域は、2005年以降に計器とインテリア、2010年からはパワートレイン、そして2015年以後は安全・制御系(先進運転支援システム=ADAS:advanced driver assistance system)、HV・EV、自動運転へと広げている。
HVやEVが搭載する大電流を流すデバイス向け部品の引き合いが増加している。同部品には金属と樹脂を一体成形するインサートモールド技術が使われている。他社製品は金属材に板材を用いているが、同社は独自のフォーミング技術による線材加工を得意とするため、大電流に向き、配線の簡略化やコストでも有利である。同社は、Tier2であっても下請け的なサプライヤーではなく、OA機器メーカーとの取引で培った提案力などを発揮する。
船橋電子を事業統合することで得た深絞り技術を応用したセンサー向け部品は、引き合いが急増している。具体的には、位置センサーや速度センサーが挙げられる。自動車業界では、自動ブレーキなどADAS搭載車種の増加や高度化により、ますます車載用センサーの需要が増加するとみられている。同社は、自動車の電子制御の入口部分にあたるセンサーだけでなく、出力部分となるバルブ、ポンプ、インジェクタなどのメカ部品に関わる部品も供給する。
2016年から2017年は、深絞り加工品の育成期に当たる。本格量産に入る前に、金型製造、サンプル出荷、客先品質検証・試験の工程を経なければならない。深絞り加工品が業績に寄与するのは2018年3月期後半から、埼玉工場での新製品の本格量産は2018年3月期の第4四半期からとなりそうだ。
(2) 戦略製品「インサートカラー」
「インサートカラー」は、プラスチック部品締結部の補強部品である。自動車は、世界的に燃費規制が強化されるなか、車体軽量化のためプラスチック部品の使用が増加する傾向にある。プラスチック部品をボルトで固定する際に用いる金属製補強金具であるインサートカラーは、車1台当たり100~200個が使用される。インサートカラーは、自動車部品専用の埼玉工場の主力戦略製品となる。2020年3月期の販売目標を2,000百万円としており、その後も規模拡大を図る。
同社のインサートカラーの優位性は、製造工法を従来の切削加工からマルチフォーミングとプレスを組み合わせた加工に変更することでコストを半減できることにある。マルチフォーミング加工は、材料幅で加工できるためスクラップになる部分が少なく、板及び帯状の金属材料の抜き、潰し、曲げを1工程で済ませる。金型を内製化しているため、顧客ニーズに即応できるのが強みとなる。他社フォーミング加工品に対しても、ばねのノウハウを応用した独自技術で明確な優位性を築いている。通常、金属を筒状に丸めると、元の形状に戻ろうとする「復元性」によりつなぎ目が開き、そこから樹脂が流入するリスクが生じるが、同社は、ばね技術を応用し逆に押し合う力を作用させることで、この問題を解決している。また、プラスチックとの結合を強化するためのディンプル(窪み)にも特長があり、引抜き強度と耐回転トルクを高めることに成功している。このディンプルの形状については特許を取得する予定である。
(3) 医療機器用部品
同社の2017年3月期の医療市場向け売上高は1,290百万円、売上高構成比は7.2%であった。医療機器向けは、グローバルニッチトップ企業を目指す同社に適した市場になる。世界人口の増加、全世界の医療費支出の増加を背景に、安定的な市場拡大が期待される。市場のトレンドとして、セルフケアの進展によりディスポーザブル器具の需要増加が見込める。モデルチェンジが少なく、長いライフサイクルと高収益が商品特性になる。一方、ネガティブ要素としては、開発・試作コスト、長い試験期間、企画中止のリスクが挙げられる。ネガティブ要素が参入障壁の高さになっているため、それらをクリアできれば、安定的かつ高収益を享受できることになる。
その好例が、英国子会社の医療用精密ばね製品である。売上高の4割強を占め、同子会社の高収益に寄与している。1999年に欧州の大手医薬品メーカーから喘息薬の定量噴霧式吸入器に使われる精密ばねを受注したことが飛躍のきっかけとなった。他社製品では基準をクリアできなかったが、同社の新潟工場で開発したばねが合格し、受注に成功した。製造装置を英国に移送し、量産を開始した。
同社は、喘息薬吸入器、自己注射器、自動採血器などに、線ばね、板ばね、深絞り部品を供給している。喘息薬吸入器は薬を一定量噴射する機能を有し、自分で持ち運んで処方するディスポーザブル製品である。同社は線ばねを供給しており、2018年頃から生産地域を米国へ拡大する。自己注射器は、患者が自ら使用するセルフメディケーションキットでこちらもディスポーザルである。同社では押しばね、トーションばねを供給しているが、2021年頃からは深絞り加工品が加わり、それらのセット供給を開始する。また、糖尿病患者は血糖自己測定のため採血をする。検査具となる自動採血器には、線ばねを供給している。
(4) 規格品
幅広い用途と大きな需要が見込める規格品の販売にも注力している。規格品の主力製品は、アルミなど軟らかい母材のねじ穴補強部品「タングレス・インサート」、ボルト・ナット緩み防止部品「ロックワン」である。同社の技術的優位性を生かして開発されており、従来製品に対しコストパフォーマンスや作業効率に優れ、他社に真似されにくい。
a) 母材のねじ穴補強部品「タングレス・インサート」
「タングレス・インサート」は、アルミなどの軟らかい母材のネジ締結部分を補強する部品である。航空機では、アルミニウムやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの軽量母材がねじ穴の補強を必要とし、1機当たり数万から数十万個が使用される。航空機市場では、タングレス・インサートが従来品の市場を奪うことでシェアが拮抗するまでに浸透してきた。今後も、タングレス・インサートのシェア拡大が見込まれる。
従来のインサートは、挿入の際に引っ掛けるためのタング(「の」字の部分)があるため、挿入後にこの部分を折って、折った部分を回収する必要がある。同社が開発したタングレス・インサートには、タングの替わりに引掛用ノッチが施してある。同製品のメリットは、1)作業が比較的簡単なため装着・挿入時間が大幅に短縮できる、2)折ったタングの回収し忘れや、折り取る際に母材を傷つけるリスクがない、3)上下の形状が同一のため、挿入時に方向の確認が不要、4)インサートの取り外しが可能、5)NASA(米国航空宇宙局)規格の必要条件を満たしている、などが挙げられる。
タングレス・インサートは多くの特長を有することから、従来品より高い値付けがされている。しかし、材料の投入量や製造工程数が従来品と比べて多いわけでないため、収益性の高い製品となっている。タングレス・インサートは、専用工具が必要であり使用者側の導入のハードルが高いことから、航空機向けなどの一部の特定顧客にとどまっていた。同社は市場の拡大を狙い、穴あけドリル、挿入工具、抜き取り工具などの専用工具がセットになった安価なエントリーキットを発売した。同キットにより、使用者の導入ハードルを下げ、広く普及させることを狙っている。
b) ボルト・ナット緩み防止部品「ロックワン」
住設/インフラ分野で期待されているのは、ボルト・ナットの緩み・脱落防止スプリング「ロックワン」である。ターゲットとする市場は、鉄道、マンションなどの建築物、高速道路、電力などである。いずれも認証手続きを踏まえなければならず、導入されるまでに時間を要する。地下鉄での導入が既に始まっている。販路に関しては、各市場の専門商社を活用することになる。
ロックワンは、NAS3350(米国宇宙航空規格)に準拠した衝撃型振動試験機を用いた試験に合格するなど突出した性能を持つ。鉄道技術の研究機関が行った線路のボルト・ナット緩み防止部品の試験結果で、同社製品は総合評価で8点満点中7点を獲得した。他社製品は、0.0点、4.0点、4.5点であったことから、性能の差は歴然としている。同社製品の1点減点は、外見上緩んで見えるためであるが、機能上はまったく問題がない。
同試験は、ダブルナット、緩み止めナット、ロックワンを対象に、ボルト・ナットが緩み、脱落する振動回数を測る衝撃型振動試験である。誤差を小さくするため、同製品を2個ずつ、同時にテストしている。脱落する振動回数は、ダブルナットが1,200~1,800回、緩み止めナットが2,500~4,500回であったのに対し、ロックワンは3万回をクリアした。繰り返し使用を想定した試験では、18万回後でも脱落しなかった。
他社製品では、ナットに緩み防止機能を内蔵させているものがあるが、それだとナットごと替えなければならない。ロックワンは、市販のソケットレンチを使用してナットの上から簡単に装着でき、作業も楽で、コストも低い。ユーザーは緩みの点検頻度を少なくできるというメリットも大きい。ロックワンは、形状が複雑であることから、現在、同社だけが量産している。
高速道路では遮蔽板や案内板の脱落防止用途に使用される。高速道路のように振動が多い場所では、ボルト・ナットの緩みが生じやすい。住宅設備市場では、新築のマンションのバルコニーのアクリル板などに使用されるナットの緩み止めに付けられる。大手ゼネコンが、ベトナムでビル1棟を建設する際にロックワンを採用した。電力では送電網や太陽光パネルに利用される。
規格品は、ネット販売などのB2Cで認知度を高めたのちにB2Bに発展させ、特注品の受注につなげることを企図している。実際、ロックワンは、規格品の存在を知った顧客から、自社用途に応じて材料や形状を変更する開発依頼がきている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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