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オンコリスバイ Research Memo(11):食道がん向けは対象領域を拡大し、米国での展開も目指していく


■オンコリスバイオファーマ<4588>の今後の見通し

2. テロメライシンの今後の展開
テロメライシンは現在、食道がん、メラノーマ、肝細胞がんでの臨床試験に取り組んでいるが、今後は骨肉腫や頭頸部扁平上皮がんなどにも対象領域を拡大して開発を進めていく予定となっている。また、臨床試験では放射線またはチェックポイント阻害剤との併用による効果が最も高いと考えており、これら併用療法での上市を目指していく考えだ。

このうち、メラノーマについては既に米Amgenの「T-VEC」(Talimogene Laherparepvec (ImlygicTM))が上市されていることもあり、これを上回る薬効などが臨床データで得られなければ上市までの道のりは険しくなるが、食道がんについては手術や他の化学療法による治療が受けられない初期ステージの患者を対象に臨床試験を進めていくため、安全性や薬効が認められれば上市に向かう可能性が高い。対象患者数は年間で100〜200例だが、この領域を皮切りとして将来的には手術可能な患者へと適応範囲を拡大していくことを計画している。

食道がんの手術時間は平均で6~7時間であり、患者にとっては体力的にハードであるばかりでなく、入院日数も長くなる。これをテロメライシン(注射投与)と放射線治療またはチェックポイント阻害剤の投与で代替していくことができれば、患者にとってもメリットは大きいためだ。また、日本で適応範囲を拡大した上で、米国市場への参入を目指していく。

また、次世代・武装テロメライシンの開発もアカデミア等と共同で進めている。前述した4℃での保存技術を用いた新製剤の開発や、免疫活性を高めるためインターフェロンやサイトカインなどを組み込んだ製剤(OBP-1702)、抗がん作用の増強を誘導するOX40L遺伝子を導入した製剤(OBP-1703)、静脈注射が可能な製剤(OBP-17xx)等が挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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