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農業総合研究所 Research Memo(1):農業ベンチャーとして初の上場、「農家の直売所」を展開


農業総合研究所<3541>は2016年6月16日に東証マザーズに株式を上場した。主な事業内容は「農家の直売所」事業で、従業員数は103名、うち50名が正社員となっている(2016年8月末現在)。農業ベンチャーとしては、初の上場企業である。証券取引所の分類は卸売業だが、在庫を持たない卸売業というユニークな業態となっている。Japan Venture Awardsで今年2016年、最高位賞である「経済産業大臣賞」を受賞した。

同種の事業である「道の駅」は主に郊外にあるのに対して、同社の「農家の直売所」は、都市部のスーパーマーケット等の中に売場を構えて、この売場を全国の農家に開放していくことを形にしたものだ。現在「農家の直売所」は750店舗ある。すべてが「農家の直売所」という名前ではなく、スーパー等ごとにブランドを変えている。同じ名前で出すと同業他社とも取引しているということになり、多くのスーパー同士が競合する場合には売場を構えることができないためだ。

若者に農業を注目してほしい、農業でも頑張れば上場できる、農業という業界のボトムアップを図りたい、という思いから上場を果たした。

足元の業績については、2017年8月期第1四半期(16年9-11月)決算を1月12日に発表。売上高が347百万円、営業利益が26百万円、経常利益が26百万円、四半期純利益が17百万円だった。

同社は農家の直売所事業に注力し、積極的にスーパーマーケット等の小売店と交渉及び導入を進めた結果、第1四半期末時点で前期末比118店舗増の798店舗まで拡大。また、拡大するスーパー等への農産物供給量確保のため、集荷場を関東地区等に開設し、集荷場は第1四半期末時点で前期末比4拠点増の61拠点となり、登録生産者は前期末比240名増の6,005名と拡大した。

2017年8月期通期については、売上高が前期比30.6%増の1,560百万円、営業利益が同8.6%増の170百万円、経常利益が同4.0%増の169百万円、当期純利益が同1.9%増の109百万円と予想している。

■Check Point
・農業ベンチャー初の上場企業
・農業のITと物流のプラットフォームを構築
・前期比35.2%増収、251.1%の営業増益

(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)



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