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フォーカス Research Memo(8):既存事業の好調さに、新たな取り組みを上積みし、継続的な業績向上を図る


■見通し

フォーカスシステムズ<4662>の2017年3月期は新たに以下の3つの取り組みを実施している。

(1)医療事業への人工知能の活用に向けた共同研究

洛和会ヘルスケアシステム、(株)UBIC(現(株)FRONTEO)と共同で、病院経営や医療現場の運営に関わる意思決定や、判断支援などの医療事業分野に人工知能を用いるための研究を2016年6月より開始した。人工知能の医療判断への活用事例はあるが、経営判断や人事管理、事務の効率化などを目的とするものはまれとのことである。今回の共同研究では、医療機関・組織の経営層の意思決定支援や、医療機関の経営や診療・診断支援、職員管理などに人工知能技術を用いた各種の実証研究を行い、その実用性や効果の検証を踏まえ、2017年3月期中を目途に、今後の具体的な青写真を描く予定とのことである。

(2)社内基幹システムをシステム共通基盤「intra-mart」「Bizインテグラル(ビズインテグラル※)」で構築

※Bizインテグラル…(株)NTTデータ・ビズインテグラルの純国産ERPパッケージ

システム共通基盤「intra-mart」「Bizインテグラル」上で、販売管理(受注、発注、売上、仕入)、会計(一般会計、債権、債務)、プロジェクト管理、人事給与、経費旅費精算、就業管理の各業務上必要な機能をカバーする社内基幹システムを構築した。

従来の社内基幹システムにおける締め処理遅延、マスタ入力の複雑さ、紙の大量保管等の課題解消、統合基盤フロントの整備、データの一元管理ワークフロー整備等の目的達成のため、情報基盤の構築、実績・ノウハウを活用したプロジェクト推進、着実な導入・定着を基本方針とし、システム構築を行った。今後、この仕組みを同業他社や他業種の顧客に提案していくとのことである。

(3)フォレンジックトレーニングのパートナー契約の締結

大手サイバーフォレンジック企業の米国ガイダンスソフトウェアと、日本における公認トレーニングパートナー契約を締結した。2017年1月より、日本で初となる「EnCase Forensic 8※1」を使った公認トレーニングを開催する。近年、サイバーセキュリティ対策の一環として組織内CSIRT※2を立ち上げる企業が急増するなど、デジタルフォレンジックの必要性は官公庁や法執行機関だけでなく民間企業にも広がってきている。同社では公認トレーニングを通じて、フォレンジック調査未経験の顧客にも、必要なノウハウを身に付けてもらい、同製品を安心して導入できるサポート体制をさらに拡充し、新規販売につなげていく計画である。

※1 EnCase Forensic…データ取得から調査、報告までの一通りの機能をすべて有する代表的なフォレンジックソフトウェア。
※2 CSIRT…コンピュータやネットワーク(特にインターネット)上で主にセキュリティ上の問題を監視。問題が発生したら原因解析や影響範囲の調査を行う。

今後の見通しについて、同社では対外的に中期経営計画や具体的な数値目標は発表していない。しかし、公共関連事業、民間関連事業の好調さを維持することに加え、2017年3月期に行った投資効果の発揮や新規取り組みの上積みにより、継続的な業績向上を図るとのことである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)



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