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3Dマトリック Research Memo(6):今後のシェア拡大に期待がかかる


■スリー・ディー・マトリックス<7777>の主要パイプラインの概要と市場規模

(1)吸収性局所止血材(TDM-621)

主に心臓血管外科及び一般外科などの手術の際に用いられる止血材の市場規模(2016年予想)は世界において約3,000百万USドルと見られている。このうち、米国が1,344百万USドル、欧州が1,078百万USドルと世界の需要の大半を占めており、両地域における今後のシェア拡大が注目される。また、欧州以外にCEマーキングを適用して販売可能な国の市場規模としては286百万USドル程度と推計され、これら地域での販売拡大も進むと予想される。なお、1回の手術で使用される止血材の量は血管用で3~5ml、臓器出血の場合で10ml程度となり、価格は地域差があるものの、1万円/ml前後の水準と見られる。

現在、止血材としてはヒト+ウシ由来のフィブリン糊が一般的に使用されているが、感染リスクがゼロとは言い切れない。同社の止血材は化学合成のため感染リスクがなく、操作性など機能面でも優位性が高いため、今後シェアを開拓していく余地は大きいとみられる。適用領域としては心臓血管外科、一般外科、消化器内科における手術時の滲出性出血用となる。

(2)歯槽骨再建材(TDM-711)

歯槽骨再建材は、歯科領域において歯槽骨が退縮しインプラント手術が適用不可である患者に対して、インプラント手術が適用できるまで歯槽骨を再建することを目的とした医療材料で、目的部位に同材料を注入することにより、歯槽骨の再生を促進する機能を果たす。

米国における市場規模は年間約200百万USドルと見られている。米国では年間190万件程度の歯槽骨再建手術が行われているが、このうち約120万件が異種骨(豚)や他人の骨を足場材として利用する施術が行われており、残りは自身の違う部位からの移植または人工骨などを利用している。同社の歯槽骨再建材を使えば、感染リスクもなく安全かつ容易に歯槽骨の再建を行うことが可能となるため、製造販売承認が得られれば売上げの拡大余地は大きいと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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