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あらた Research Memo(1):18/3期以降の成長を見据えて、物流センターの増強を進める


あらた<2733>は日用雑貨・化粧品カテゴリーにおける国内最大級の卸商社となる。販売先の業態別売上構成比(2017年3月期第2四半期累計)は、ドラッグストアが47.0%、ホームセンターが17.0%と両カテゴリーで全体の60%を超える。子会社にペット関連商品卸で業界トップのジャペル(株)や化粧品・雑貨専門卸である(株)ファッションあらたなどを抱え、海外では中国とタイに進出し事業を展開している。

2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.7%増の355,644百万円、経常利益が同43.7%増の3,910百万円といずれも期初計画を上回り、上期として過去最高業績を更新した。化粧品や家庭用品などの販売がドラッグストア向けを中心に堅調に推移したほか、ネット関連・越境EC関連の売上が約40億円と急増したことも増収に貢献した。利益面では、増収効果に加えて人件費や物流費の売上比率が改善したことが増益要因となった。

2017年3月期の連結業績予想は売上高が前期比2.0%増の690,000百万円、経常利益が同25.6%増の7,300百万円と期初計画を上方修正した。今下期だけで見ると売上高は前年同期比0.8%減となる。小売店の新規出店が一段落していることや、円高進展によるインバウンド需要の一巡により、足元の売上が鈍化傾向にあることが要因だ。ただ、直近では為替の円安が進んでいるほか、景況感も改善傾向となってきたことから、通期業績も上振れする可能性があると弊社では見ている。

2018年3月期以降の成長を見据えて、物流センターの増強を進めていく。2017年3月稼働予定で、埼玉に新センターを開設するほか、千葉でも既存センターの増床を行い、いずれも150億円の処理能力アップにつながる。また、2018年頃を目途に九州南部を統括する新物流センターを開設する予定になっている。来年度からは新たな中期経営計画がスタートするが、従来の売上拡大戦略、収益性向上施策を継続していくほか、成長事業への積極的な投資も行い更なる収益成長を目指していくものと予想される。

同社は株主還元にも積極的に取り組んでいる。2017年3月期は業績好調を受け、1株当たり配当金を前期比10円増配の65円にするほか、株主優待についても今後拡充することを検討している。現在は、100株以上保有の株主に対して1,000円相当のQUOカードを3月末と9月末の年2回進呈しているが、保有株数や継続保有期間なども考慮したものになる見込みだ。

■Check Point
・17/3期上期は増収増益、上期として過去最高業績を更新
・17/3期は過去最高業績を2期連続で更新する見込み
・業績好調のため、10円増配の65円配を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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