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ティア Research Memo(7):葬祭事業は新店の稼動効果で葬儀件数増、原価低減で増収増益、FC事業は順調に成長


■ティア<2485>の決算動向

(2)事業別動向

a)葬祭事業
葬祭事業の売上高は前期比3.3%増の10,217百万円、営業利益は同10.0%増の1,813百万円となった。葬儀件数が新店の稼働効果により同4.9%増の8,413件と順調に拡大したこと、並びに原価低減に取り組んだことが増収増益要因となった。

葬儀単価については前期比1.2%減の105.9万円となった。新商品の投入効果で供花単価が同2.0%上昇したものの、祭壇単価で同2.4%、葬儀付帯品で同0.8%の下落要因となった。供花では喪主からの「別れの花」をオプションメニューとして加えたことが単価上昇に寄与した。祭壇単価については、比較的安価な葬儀プランの構成比が上昇したことが下落要因となっている。なお、既存店の状況について見ると、葬儀件数が前期比横ばい、葬儀単価が同1.3%の下落となり、売上高は同1.3%の減収となった。

営業利益率で見ると、前期比1.0ポイント上昇の17.7%となり、過去最高(2013年9月期17.4%)を更新している。前述したように取扱商品の見直しや、一部業務の内製化を推進し原価率が改善したことが要因となっている。商品原価率は同0.4ポイント低下し、外注費等の雑費率が同0.6ポイント低下した。

エリア別で見ると地盤となる中部エリアで収益性が向上しているほか、関西エリアについても2016年から専任の事業部長を配置するなどマネジメント体制を強化した効果で収益性が改善傾向となっている。ホールの稼働率では70%程度と目標水準まで達しており、関西エリアの3店舗すべてで黒字化を達成したが、まだ中部エリアと比較すると収益性は低い。このため、今後は葬儀後の法要等アフターサービスの取り組みを強化していくことで顧客当たり売上高を伸ばし、収益性の向上に取り組んでいく方針となっている。

また、埼玉県の2店舗について見ると、2012年にオープンした「ティア越谷」では近隣に競合店が進出した影響で葬儀件数がやや減少し、当期は若干の損失となった。また、2013年にオープンした「ティア鳩ヶ谷」についても若干の損失となったが、いずれも積極的な営業施策と提携団体の取り込みにより、今後は葬儀件数が増加していく見込みで、2017年9月期には2店舗ともに黒字化を見込んでいる。

8月には東京都内に、同社で初の取り組みとなる「葬儀相談サロン」の店舗を出店した。都内では今後もサロン形式の店舗展開を進めていく方針となっている。これは都内では地代家賃が高い一方で葬儀単価が低く、「葬儀会館」を出店したとしても収益化までには相当年数時間が掛かること、都内の火葬場は葬儀式場を併設しているケースが多く、また貸式場を整備している寺院なども多く、固定費負担の少ないサロン形式での店舗展開が効率的と判断したためだ。1号店となる「葬儀相談サロン ティア日暮里」についての滑り出しはおおむね順調で、オープン後2ヶ月間の相談件数は120件、成約件数も計画どおりで推移している。

b) FC事業
FC事業は売上高が前期比18.2%増の376百万円、営業利益が同42.2%増の71百万円となった。店舗数が同3店舗増加し、葬儀件数も同4.7%増の3,982件となったことで、ロイヤリティ収入が順調に増加したほか、3店舗の会館新設に伴う物品販売の増加が増収増益要因となった。

なお、新規加盟企業の1号店となった「ティア相模大塚」(2015年11月、神奈川県)、「ティア土浦北」(2016年1月、茨城県)については、現在スーパーバイザーが常駐して営業支援を行っている段階にある。このうち、「ティア相模大塚」については、神奈川県内に大手競合先があり、ティアの認知度もまだ低いことから、当面は地域でのイベント開催などPR活動を強化しながら、認知度の向上を進めていく考えだ。一方、「ティア土浦北」についてFC事業者のいっしんが介護事業を営んでおり、地元自治体とのつながりも強いことから、葬儀件数は順調に増加している。ただ、民生葬が多く葬儀単価が低いという課題があり、収益化モデルの確立に向けた取り組みを進めていく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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