【TOPIX】2024年の振り返りと25年の見通し~vol.1
フィスコのアナリスト、白幡玲美が2024年のTOPIXの振り返りと2025年の見通しを解説。2024年のTOPIXは+17.7%の上昇を記録し、2月には日経平均が1989年以来の最高値を更新。半導体株の上昇や新NISAの影響が大きかった。主要銘柄では三菱重工業、日立製作所、リクルートホールディングスが好調だった。2025年には日本銀行の利上げが予想され、これが「脱デフレ宣言」を促す可能性がある。外国人投資家の動向が日本株の動向を左右し、日経平均やTOPIXが24年の最高値を更新する可能性が示唆された。
TOPIX2024年相場の振り返り、2025年の相場見通しを、フィスコ アナリストの白幡玲美が紹介、2回に分けてします。
皆さん、こんにちは。フィスコ・アナリストの白幡玲美です。本日は、2024年のTOPIXの振り返りと、25年の見通し、ミニTOPIX先物についてお話させて頂きます。
まずは2024年のTOPIXの動向について解説させて頂きます。24年のTOPIXの年間騰落率は+17.7%と2年連続で二けたの上昇率となりました。
年明けから、外国人投資家がAIの爆発的な普及を材料に半導体株を買ったことや、新NISAスタートに伴う個人投資家の買いなどが入り大型株の上昇が続きました。米国市場でも半導体大手エヌビディアを中心にビッグテックが買い優勢となったことも刺激材料となり、2月22日、日経平均はついに1989年12月に記録した史上最高値を更新しました。3月には史上初めて40,000円の大台を突破するなど日経平均の強い動向が目立ちました。
一方、時価総額が大きい銘柄の影響が大きいTOPIXは、日経平均と比較すると動きは遅く、日経平均から遅れること4カ月後の7月4日、ようやく史上最高値を更新しました。日経平均より動きが遅かった理由としては、日経平均寄与度が大きい半導体株の上昇が目立っていたことや、トヨタ自動車など時価総額が大きい自動車株が相次いで型式不正など不祥事が発生し買われにくかったことなどが挙げられます。
それでも、8月上旬の歴史的な急落をこなした後、自社株買いを通じた事業法人の断続的な買いなどを下支えに日本株は堅調な推移を見せ、年間ベースでTOPIXは二年連続、二桁の上昇率を記録しました。
次に2024年のTOPIXコア30銘柄の上昇率トップ3銘柄をご紹介いたします。
TOPIXコア30銘柄では、三菱重工業<7011>が高いパフォーマンスを残しました。防衛関連銘柄の代表的な銘柄として一昨年辺りから強い動きは見られましたが、昨年、上場後初めてとなる株式分割を実施しました。1対10という大型分割だったことで投資金額の大幅な低下に伴いNISA経由で同社を購入するなど、新しい投資家の獲得に成功したことなどが、上場来高値を更新し続ける高いパフォーマンスの背景として考えられます。
2番目は日立製作所<6501>です。早い段階から選択と集中を進め、日立という高いブランドを背景に国や地方自治体などのシステム環境構築を行っていたことや、発電所関連銘柄としての物色などが向かったことで高いパフォーマンスを残しました。
そして、3番目はリクルートホールディングス<6098>です。10数年前に買収した米求人検索サイト大手インディードが、現在は月間で3億人超が訪問する世界最大級の求人サイトに成長しました。高いインフレを克服するなど強い米国景気を背景にリクルートホールディングスの株価は上昇し、1年を通してほぼ右肩上がりの強い動きとなりました。
それでは、2025年の見通しをお話しいたします。
2025年、日本銀行は政策金利の引き上げを複数回実施すると見られています。現在、政策金利の上限は0.25%ですが、2025年は2回利上げを実施し0.75%まで政策金利の上限を引き上げる可能性があります。昨年、3月の金融政策の正常化を経て、日本はようやく「金利のある世界」に戻りました。今年は追加の利上げを行うことで、世界にも金融政策の正常化を強くアピールできるチャンスが来たと考えます。
日銀が政策金利を複数回引き上げても、トランプ政権での財政拡大期待などを背景に米国金利は高い状況が続く見方が強いことから、日米金利差はさほど縮小しないと考えます。つまり日米金利差が開いたままの状況は続くことで、急激な円高ドル安は回避されると見ています。
そして、春頃に日銀が利上げを実施した後、政府は「脱デフレ宣言」を行う可能性があります。市場はある程度見込んでいるかもしれませんが、世界に対して日本政府が「脱デフレ」を明確に宣言し、投資を促すことで、日本株に関心が向かう展開が来るかもしれません。そうした状況下、注目されるのは外国人投資家の存在です。
2025年の買いの主体として引き続き期待できるのは、自社株買いを進める「事業法人」と、高配当利回り銘柄などをNISA経由で断続的に購入する「個人投資家」でしょう。「事業法人」と「個人投資家」がコンスタントに日本株を買ってくるため、日本株は大きく下落しないと考えます。一方、日経平均やTOPIXなどが24年につけた史上最高値を更新するためには、やはり「外国人投資家」の存在は重要です。石破政権は、今のところ岸田前政権のような「投資」に主眼を置いた経済政策を積極的に発信していませんが、日銀が利上げを実施した後、石破政権が「脱デフレ宣言」を大々的に行った場合、外国人投資家がポジティブな反応を示す可能性はあります。
今後、もしかしたら、世界的な運用のリバランスによる日本株の保有割合の引き上げを運用会社が発表するかもしれません。事業法人や個人投資家によるコンスタントな買いに、外国人投資家の積極的な買いも加わった場合、日経平均やTOPIXは史上最高値を更新し、昨年同様の右肩上がりの相場展開も期待できるでしょう。
-【TOPIX】2024年の振り返りと25年の見通し~vol.2に続く-
<NH>
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