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売り先行スタートも配当志向の物色で上昇に転じる【クロージング】


*15:57JST 売り先行スタートも配当志向の物色で上昇に転じる【クロージング】 27日の日経平均は小幅に反発。56.85円高の32371.90円(出来高概算15億8000万株)で取引を終えた。前日の米国市場では長期金利の上昇が重荷となり、金利動向に敏感な半導体関連などグロース株中心に売られ、主要株価指数は下落した。この流れを受けた日経平均は売り先行で始まると、前場序盤には31960.32円まで水準を切り下げ、取引時間中としては8月28日以来、約1カ月ぶりに心理的な節目である32000円を割り込んだ。ただ、配当の再投資に伴う先回り買いや先物買いが大引けにかけ入り、日経平均は後場終盤にかけて切り返し、本日の高値で取引を終えた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、医薬品、その他金融、不動産など20業種が上昇。一方、海運、電気ガス、鉄鋼、その他製品など13業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、中外薬<4519>、第一三共<4568>、東エレク<8035>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、信越化<4063>が軟調だった。

前日の米国市場は、金融引き締めが長期化するとの観測が広がるなか、長期金利が一時4.56%と2007年10月以来の高水準を付けるなか、主要株価指数は下落した。また、米政府機関が一部閉鎖になるリスクや、中国の不動産開発大手、中国恒大集団の清算リスクを巡る懸念も投資家心理を圧迫し、日経平均の下げ幅は一時350円を超える場面があった。ただ、本日は9月中間期の権利付最終売買日とあって、権利取りを狙った買いが入ったほか、配当落ちに伴う目減り分を補うため、機関投資家による配当の再投資が相場を下支えする形になった。朝安の半導体関連株の一角も切り返しをみせたことが、投資家心理を明るくさせた。

日経平均は一時的とはいえ、心理的な節目の32000円を割り込んだことで、8月安値の31275円が目先的な下値のめどになると見ている投資家が多い。8月の下落局面でも米国の金融引き締めの長期化懸念で米ハイテク株安が響き、国内でも半導体関連株が下落した経緯があるだけに、今回も同様の動きになるかが警戒される。


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