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英米金利の低下を背景に買い戻しの動きが強まる【クロージング】


29日の日経平均は反発。248.07円高の26422.05円(出来高概算14億株)で取引を終えた。英国の中央銀行が市場安定化策として長期国債買い入れを実施すると発表したことで、英米両国の長期金利の上昇が一服。金利動向に敏感とされるグロース株など値がさ株中心に買い戻しの動きが強まり、日経平均は寄り付き直後に26450.59円まで上昇した。その後は心理的な節目である26500円を前に戻り待ちの売りが出たほか、世界的なインフレ抑制に向けて主要中銀の金融引き締めが続くこと、欧州では冬場の暖房需要に伴うエネルギー価格の高騰でスタグフレーションのリスクが警戒されており、前引けにかけて26200円台まで上げ幅を縮める場面も見られた。ただし、配当の再投資など需給への思惑もあり、26400円台と日中の高値圏でのもみ合いが続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1200を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、医薬品、繊維製品、陸運、鉱業、サービスなど28業種が上昇。一方、海運、鉄鋼、銀行など5業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、エーザイ<4523>、ソフトバンクG<9984>、中外薬<4519>、塩野義<4507>が堅調だった半面、東エレク<8035>、TDK<6762>、ファナック<6954>、日本電産<6594>、アドバンテス<6857>が軟化した。

欧米の金利急低下を背景に投資家心理が改善。前日の米国市場で主要株価指数は反発した。これを映して、東京市場でも主力株中心に買いが先行して始まり、日経平均の上げ幅は一時280円を超えた。また、岸田首相が所信表明演説のなかでインバウンド(訪日外国人旅行者)消費の拡大を重点分野に位置付けると一部で伝わったことで、空運、陸運、小売などインバウンド関連株が軒並み値を上げた。一方、配当の権利落ち日とあって、高配当の海運は配当落ちの影響から結果的に弱い動きとなった。

米国では29日発表の米半導体大手マイクロン・テクノロジーの四半期決算の内容が気がかり材料となっている。業績悪化への懸念が拭えていないだけに、決算内容次第では東京市場にも悪影響を与えそうだ。また、バルト海経由でロシア産天然ガスを欧州に送る海底パイプライン「ノルドストリーム」の損傷で、パイプライン中のガスの過半が漏出したことが判明し、欧州でのインフレ高進に対する不安も残る。懸念材料が山積しているだけに、目先は個別材料株物色が一段と強まりそうだ。

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