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米ハイテク株安の流れを引き継いで利食い優勢【クロージング】


29日の日経平均は反落。162.28円安の28906.88円(出来高概算8億5000万株)で取引を終えた。前日の米国市場で、ナスダック総合指数やSOX指数が下落したことから、値がさハイテク株中心に利益確定売りが先行。一時28729.61円まで水準を切り下げた。ただ、年末休暇入りを前に市場参加者が減少するなか、新規材料にも乏しく、売りが一巡した後は模様眺めムードが広がり、下げ渋る展開だった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄が1500を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、海運、空運、水産農林、陸運、石油石炭、鉄鋼などを14業種が上昇。一方、ゴム製品、食料品、ガラス土石、電気機器、鉱業、その他製品など19業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>、アステラス薬<4503>、オリンパス<7733>、NTTデータ<9613>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、バンナムHD<7832>、ダイキン<6367>が軟調だった。

前日の米国市場は高安まちまちだったが、ハイテク株中心に売られたことが響き、東エレク、アドバンテス、村田製<6981>などハイテク関連株中心に売りが先行した。また、「香港警察の国家安全部門は29日、民主派オンラインメディアの幹部ら6人を扇動出版物発行の共謀容疑で逮捕した」と伝わったことで、香港をはじめアジア市場が動揺し、中国株安が響き、株価指数先物にリスク回避の売りが出たことも下げ幅を広げる要因になったようだ。一方で、景気敏感株の一角には買いが入り相場を下支えしていた。

日経平均は前日、約2週間ぶりに29000円台を回復したことで、目先の利益を確保する動きが優勢だったが、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回っており、当然の一服との見方が多く、個人投資家などの物色意欲は衰えていないとの声が聞かれる。本日から実質新年相場入りしたが、「ポジションを越年して持ち越す投資家は多くない」とみられ、持ち高調整売りも続きそうだ。

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