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一時28000円回復も、追加経済対策期待の後退などから上値の重い展開に【クロージング】


10日の日経平均は3営業日続伸。68.11円高の27888.15円(出来高概算10億8000万株)で取引を終えた。9日の米国市場はNYダウが反落したものの、6日には雇用統計を受けて最高値を更新しており、為替は円安傾向に振れていることもあり、買い先行で始まった。また、好決算銘柄にも個人などの短期資金が流入し、前場半ばには一時28128.61円と28000円台に乗せる場面も見られた。ただし、世界的に新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染が拡大しており、景気の先行き不透明感が警戒されるほか、麻生財務相が会見で「今新たに経済対策や補正予算の編成などをやっていることはない」と発言。追加経済対策期待も後退し、次第にこう着感が強まっていた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1300を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、空運が大幅に上昇したほか、医薬品、陸運など20業種が上昇。一方、その他製品、非鉄金属、石油石炭など13業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、エムスリー<2413>、塩野義<4507>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、バンナムHD<7832>、ソニーG<6758>、東エレク<8035>、NTTデータ<9613>が軟化した。

引き続き好業績銘柄へ投資マネーが集まっており、業績予想の上方修正を発表した藤コンポ<5121>がストップ高まで買われ、ローランドDG<6789>も一時制限値幅いっぱいまで買われる場面があるなど、中小型株への物色が目立っていた。一方で、りらいあ<4708>、GMOペパボ<3633>が急落となるなど、決算を受けて明暗が分かれている。

夏期休暇入りしている投資家が多く、関係者からは「夏枯れ相場の様相が強まってきた」との指摘が聞かれた。新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大が世界的に拡がっており、先行きの景気に対する不透明感が相場の重しになっていた。また、きょうの取引終了後にはソフトバンクG<9984>が第1四半期決算の発表を控えていたことも手掛けづらくさせたようである。

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