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7月のくりっく365、ドル・円は上昇一服、南アフリカランドは弱含みの見込み


東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、6月の取引数量が前月比11.6%増の211万9854枚、1日の平均取引数量は9万6355枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は3972.35億円と前月比で0.86億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、トルコリラ、南アフリカランド、豪ドルの順となっている。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、6月の取引数量が前月比36.4%減の242万1773枚、1日の平均取引数量は11万0080枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は516.06億円となり、前月比で約11.53億円の増加となった。

取引数量トップは米ドル・円の46万6105枚(前月比4.7%増)であった。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において示された政策金利予想(ドットチャート)は、中央値が2023年内での2回の利上げを示唆し、前回までの23年末までゼロ金利維持から大幅に引き上げられた。想定以上にタカ派的な結果と捉えられたうえ、その後、セントルイス連銀のブラード総裁が22年内の利上げの可能性も示唆すると、金利上昇が強く意識される展開に。米金利の先高観を背景に円安・ドル高が進展した。また、ドル建てで取引される原油価格が先進国の景気回復を背景に上昇継続するなか、実需面でのドル買い要因も強まった。結果、ドル円は月末に1ドル=111円台まで円安・ドル高が進展した。

トルコリラは31万4782枚(前月比62.3%増)だった。エルドアン大統領と米バイデン大統領による首脳会談前にリラの買い戻しが進んだが、会談で具体的な成果が得らなかったことでリラ買い戻しの動きは一服。中央銀行の金融政策決定会合では利下げの開始もなくタカ派色が強い内容だったが、リラ買いには繋がらず。月後半は米FOMC後のリスク回避の動きが一服したこともあり持ち直したが、月間ベースではもみ合いにとどまった。

7月のドル・円は上昇一服か。日米間での景況感の差に加え、FOMCを経て日米金利差も一段と意識されており、実需面でも円安・ドル高の環境が整っている。また、投機筋も円売り・ドル買いの動きを強めてきている。一方、1ドル=111円台乗せに成功した達成感から一段の円安・ドル高も見込みにくい。ドル円の下値が堅い状況に変わりはないものの、短期的にはもみ合いが継続しそうだ。

南アフリカランドは弱含みか。プラチナやパラジウム、ロジウムなどの白金族金属の需給の引き締まりを背景に、南アフリカの貿易収支や経常収支は黒字で、実需面ではランド高となりやすい。また、足元で進む国内インフレ懸念を受けて中央銀行は利上げに踏み切る公算。金利先高観もランドを下支えすると想定される。一方、ランドは6月に入ってから持ち高調整の売りが継続。昨年8月から今年5月末まで、ランドは対円でほぼ一本調子で上昇してきただけに、調整が長引くことも想定される。また、先進国とは異なり、新型コロナのワクチン接種が遅れているため、感染再拡大リスクも上値を抑える一因として意識される。そのため、中長期的にはランド高が見込まれる一方、短期的には調整が続くことが想定され、好悪材料が混在する結果、やや弱含みで推移すると予想する。

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