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米低金利の長期化観測を背景にした買いが先行【クロージング】


10日の日経平均は3営業日続伸。160.52円高の29518.34円(出来高概算11億2670万株)で取引を終えた。米国の低金利長期化への思惑を映した前週末の米国株高を受けて、ハイテク関連株など値がさ株などを中心に買いが先行。一時29685.41円と取引時間中としては4月19日以来、約3週間ぶりの高値水準まで上昇した。ただ、本格化する国内主要企業の決算内容を見極めたいとの思惑などもあり、買い一巡後は模様眺め気分が広がった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1400を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、鉄鋼、石油石炭、非鉄金属など27業種が上昇。一方、海運、小売、金属製品、空運など6業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、エムスリー<2413>、テルモ<4543>が堅調。半面、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、7&iHD<3382>、日ハム<2282>が軟化し
た。

前週末発表の米雇用統計が市場予想を大幅に下回り、金融緩和や財政刺激による景気の後押しがしばらく続くとの観測が強まった流れが東京市場にも波及。過熱せず冷めすぎてもいない適温相場になるとの見方が強まり、当面の株式市場を下支える可能性が出てきている。こうした流れを受けて鉄鋼、非鉄などの景気敏感株に物色の矛先が向かった。また、米パイプラインの停止を受けて、原油市況が上昇したことを背景に石油石炭も大きく値を上げたことなどが目立っていた。

今週は12日の取引時間中にトヨタ<7203>、取引終了後にはソフトバンクGの決算発表が予定されるなど企業の決算発表がピークを迎える。関係者からは、これまでの決算をみてみると、グロース系を中心に期待の高かった銘柄が売られる傾向が多いだけに、トヨタやソフトバンクGの決算を受けた株価の反応を見極めたいとの指摘が聞かれた。また、国内では新型コロナウイルスの新規感染者数の増加傾向に歯止めがかかっていないだけに、景気の先行きに対する懸念が拭えないだけに、積極的に買い上がるのも難しく、目先は決算を受けた個別物色の動きが一段と強まりそうだ。

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