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こう着のなか、決算を手掛かりとした個別対応に【クロージング】


27日の日経平均は反発。89.03円高の28635.21円(出来高概算11億5958万株)で取引を終えた。シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まったが、その後はこう着感の強い相場展開となった。日東電工<6988>が発表した第3四半期決算がコンセンサスを上回ったほか、通期予想の上方修正が評価され日経平均をけん引。国際通貨基金(IMF)は日本の21年成長率予測を上方修正したことも材料視された。しかし、戻り待ちの売り圧力も意識されるなか、寄り付き直後につけた28754.99円を高値に前引け際には28542.00円と下げに転じる場面もみられた。後場は一段とこう着感が強まり、28600円を挟んでの推移に。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を上回っており、全体の過半数を占めている。セクターでは不動産、電気機器、食料品、その他製品、機械、建設が堅調。半面、海運、鉄鋼、空運、精密機器、電力ガスが冴えない。指数インパクトの大きいところでは、日東電工、ファナック<6954>、ダイキン<6367>、テルモ<4543>が堅調。一方で、エムスリー<2413>、ファーストリテ<9983>、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>が重石となった。

市場は日東電工の決算を評価するものの、全体としては決算発表が本格化するなか、利益確定の動きも強まっているようである。また、米国では半導体SOX指数が下落すなど半導体株には利食いの動きもみられており、決算を手掛かりとした個別対応が中心になりそうである。その他、不透明ながらもバイデン政権による経済対策への期待も根強く、新型コロナのワクチン接種への期待感からややバリューシフトが意識されてきていることもハイテク株への利食いを意識させよう。

日経平均はこう着ながらも底堅さは意識されており、米経済対策やワクチン期待などから押し目買い意欲は根強いだろう。利食いを意識しつつも高値もち合いは継続。物色としては、しばらく決算を手掛かりとした個別対応になりそうである。

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