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利益確定の流れが強まる可能性があるが27000円タッチに現実味【クロージング】


9日の日経平均は4営業日ぶりに反発。350.86円高の26817.94円(出来高概算10億9609万株)で取引を終えた。米食品医薬品局(FDA)が10日の会合を控え、ファイザー開発の新型コロナウイルスワクチンの有効性に良好な見解を示したことを好感した米国市場の流れを受けて26500円を回復して始まった。寄り付き後も強い値動きをみせており、前場半ばには26800円に迫る上昇をみせるなど、前日に26500円を割り込んでいたこともあり、買い戻しの動きが強まったようである。また、後場に入るとMBOに関する報道が伝わったソフトバンクG<9984>が急伸し日経平均を押し上げており、後場寄り付き直後に26826.78円まで上昇する場面がみられている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1400を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは空運、非鉄金属、海運、パルプ紙、機械、精密機器が堅調。半面、証券、石油石炭、電力ガスが小安い。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクGが日経平均を約85円押し上げたほか、ファナック<6954>、ダイキン<6367>、ファーストリテ<9983>、中外薬<4519>、オリンパス<7733>、信越化<4063>などが堅調。一方でエムスリー<2413>、KDDI<9433>、東エレク<8035>が冴えない。

出来高は10億株台と薄商いであり、週末のメジャーSQを控えて先物市場ではロールオーバー中心の商いとなるなかではあったが、前日までの弱い値動きに対して積み上がっていたショート筋の買い戻しが強まったようである。先物市場では直近で26300円台を仕掛けてくる動きが何度かみられていたが下げ切れず、反対にワクチン承認や追加経済対策への期待を背景とした米国株の強い動きにより、買い戻しに向かわせた格好だろう。メジャーSQを控えた売買が中心であることから積極的にポジションを傾ける流れになりづらいところであり、薄商いの中でよりインパクトを与えた格好のようだ。

グローベックスのNYダウ先物は100ドル高程度で推移しており、米国市場の上昇も期待されるところである。NYダウは3万ドルを固める動きをみせていることもあり、ワクチン供給や経済対策が合意となれば、もう一段の上昇をみせてくる可能性もあるだろう。日経平均は27000円接近では利益確定の流れが強まる可能性があるほか、メジャーSQ通過後の需給変化を見極めたいことから引き続き慎重姿勢にはなりやすい。また、物色については引き続き政策期待の大きいテーマ株での循環物色が続こう。


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