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中東情勢は今後どうなる?~もっと知りたい商品先物取引


みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。今回は最近の原油相場の動向とその値動きの要因、そして注目されているホルムズ海峡周辺での軍事的緊張についてお伝えしてまいります。

■原油相場の動向
東京商品取引所(TOCOM)の先物市場ではプラッツドバイ原油が2019年6月6日に36,840円まで落ち込みましたがその後は一転、7月5日には39,820円まで上昇しました。直近の高値である4月26日の49,340円には届かないものの、足元での下げは限定的となっています。

■価格の下支え要因はホルムズ海峡をめぐる緊張
このように価格を下支えしている要因とみられているのが、特にホルムズ海峡をめぐっての軍事的な緊張です。以前のコラムでも説明しましたが、ホルムズ海峡はサウジアラビア、イラン、イラクなどペルシア湾沿岸の石油大国で産出する原油の重要な搬出路であり、毎日1,700万バレルの原油を積載したタンカーが通過しています。世界にとって石油供給の生命線ともいえる重要な拠点なのです。

■ホルムズ海峡付近での事件に価格が反応
そんなホルムズ海峡に近いオマーン海峡で6月13日、石油タンカー2隻が攻撃を受けたと報道されています。米国務長官は攻撃の背後にイランがいるとの見解を表明したとのことで、緊張が一段と高まる懸念から原油価格が上昇しました。このように原油価格はホルムズ海峡周辺での軍事的な動きに敏感な反応をしています。

■今後考えられるイランの対応
一方、米国から経済封鎖を強化されて苦しい状況のイランは今後、ホルムズ海峡で何らかの行動を起こす可能性が高いと指摘する向きもあります。アメリカをはじめとする各国の制裁により、いま、イランの原油輸出は減少しており、現金収入が激減しています。ですからイランとしては原油価格を上昇させたいと考えるのは自然なことです。もしホルムズ海峡で事件が起き、海上運賃や保険料の値上りによって原油価格が上昇すれば、少ない輸出量で多い入金を図ることができます。つまり、ホルムズ海峡で今後何らかの事件が起きる可能性は高いというシナリオも成り立つというのがその根拠なのです。もちろんそんなことは絶対に起きて欲しくはありません。しかし、その悲しいシナリオが一定の説得力を持って語られるのが現実なのです。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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