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金価格に再び上昇の兆し?~もっと知りたい商品先物取引


みなさん、こんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。世界経済の減速が懸念される中で、一般的に景気減速と共に価格が上がりやすいと言われている金にも注目が集まっています。東京商品取引所の金先物価格を見ると、2018年8月の安値4,112円を起点として上昇トレンドに転換し、2019年2月の高値4,782円まで約16%の上昇となりました。しかしその後、それまでの上昇の反動から4,500円まで下落したものの、足もとでは、再び上昇する兆しもみられているという状況です。今後の金相場が押し上げられるとしたら、その要因は何なのかを一緒に見てまいりましょう。

■FRBが19年の利上げを見送った
金相場を押し上げる要因として最も大きいとみられているのが米FRBの利上げ見送りです。ここでおさらいです。米FRBは米国の金融政策を決定する機関でしたね。主に、景気が過熱しているときに金利を上げることによって金融を引き締め、景気が停滞しているときには逆に金利を下げて金融を緩和しています。元々の米FRBの見通しとしては、2019年に年2回ペースで利上げをするとのことでした。しかし2019年3月20日のFOMC(米国の金融政策を決定する委員会)にて、2019年内は利上げをせず、2020年で利上げを1回する予定との発表がありました。利上げが見送られることはなぜ金価格の上昇に繋がりやすいのでしょうか?ドル保有により受け取れる金利が上がらないためドルの魅力が減ってしまい、相対的に金の魅力が増すということになるからです。

さらに2019年5月より、FRBは米国債の保有圧縮ペースを現状の月間300億ドルから150億ドルに半減すると発表しました。米国債の市場に出回る量が少なくなることで、米国債の価格が上がり、債券利回りが下がる効果が想定されます。繰り返しになりますが、金利が上がらないということは、相対的に金の魅力が増すということです。

■米国の債券利回りが低下すると金価格は上昇する可能性が高い
米国の10年債利回りは2018年末から右肩下がりの状況です。1998年から現在にいたるまで20年間、米国の10年債の利回りとNY金価格をグラフにしてみると、きれいな逆相関となっています。つまり債券価格が下がれば下がるほど金が上がるという関係になっているのです。同期間の相関係数は-0.878なので、かなり高い逆相関となっていることがわかります。

■金投資と米株式投資のリターン比較
ちょうど今のように債券利回りが下がっていた時期の、金投資と米国の株式投資のリターンを比較してみましょう。期間は2004-2007年です。リーマンショックが起こる直前ですね。このときの株式の投資のリターンは10.6%、金の投資リターンが20.8%でした。一般的に金よりも株の方がリスク資産といわれていますが、この場合は金が株を上回るパフォーマンスをたたき出したのです。

■金ETFが増えると金価格も上昇する?
実は金ETFの保有残高と金価格にも相関関係がみられます。NY証券取引所の金ETFの保有残高をみてみると、昨年の9月くらいに減少して740トンほどになったのですが、その後820トンまで増加しました。ETFと金価格の相関関係を考えると、ETFを追う形で金価格が上昇することも考えられます。

冒頭で説明しましたように、金価格は景気の減速と共に上昇しやすいという特徴があります。その他にも、今回紹介したように米国債利回りや金ETF残高などとの関係もみられるので、いずれかのチャートに動きがあったときに、それぞれのチャートを並べて、値動きを確かめてみるのも面白いですよ。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ





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