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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米FRB議長証言の引き締め方針維持に反応


27日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言は全般的にハト派寄りとはいえ、引き締め姿勢を維持しており、ドル売りは後退しよう。ただ、米朝首脳会談への警戒感が円売りを抑制しそうだ。
前日のNY市場では米国の2月消費者信頼感指数が堅調な内容となり、ドル・円は底堅く推移していた。その後、パウエルFRB議長の議会証言は全般的にハト派寄りとなり、米10年債利回りの低下を背景に110円40銭台に軟化。ただ、経済データは低調であるものの全般的に堅調になるとの見方や、賃金の伸びに関しても加速の兆しがあるとの強気な見解で、引き締め余地を残した。本日アジア市場でもドル売りは鈍く、日本株や中国株、欧米株式先物の反転もあってドル・円の下落は前日のNY安値程度の水準にとどまっている。

今晩も前日に続きパウエルFRB議長による議会証言(下院金融委員会)が材料視される。今週これから発表される米国の製造業関連や国内総生産などの経済指標が想定ほど悪化せず、同議長が維持する利上げ方針を後押しすれば、ドル売りはさらに弱まりそうだ。また、英国が欧州連合(EU)離脱を3月29日から延期する可能性が高まっており、混乱を懸念した円買いは弱まりつつある。加えて、米中貿易交渉の合意期待も円売りを支援し、110円50銭以下は下値の堅さが意識される。ただ、今日と明日開催の米朝首脳会談については警戒感が根強く、ドルの戻りを抑えると予想する。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・1月マネーサプライM3(前年比予想:+4.0%、12月:+4.1%)
・19:00 ユーロ圏・2月景況感指数(予想:106.0、1月:106.2)
・20:30 米朝首脳会談(ハノイ、28日まで)
・22:30 カナダ・1月消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、12月:+2.0%)
・22:30 米・12月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.4%、速報値:+1.1%)
・24:00 米・1月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+1.0%、12月:-2.2%)
・24:00 米・12月製造業受注(前月比予想:+0.6%、11月:-0.6%)
・24:00 米・12月耐久財受注改定値(速報値:前月比+1.2%)
・24:00 パウエル米FRB議長が半期議会証言(下院金融委員会)
・英下院がメイ首相のEU離脱方針や議員提出の動議採決




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