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米中停戦合意なら年末高意識にも【クロージング】


30日の日経平均は6営業日続伸。88.46円高の22351.06円(出来高概算18億1900万株)で取引を終えた。米中首脳会談を週末に控えていることから積極的な売買は手控えられているが、石油石炭や鉱業が買われるなど、リバランスの流れが強まっている。日経平均は前場半ばに付けた22231.96円が安値になるなど底堅さが意識されており、米中首脳会談を前に売り方の買い戻しのほか、中間配当の再投資に伴う需給なども下支えする格好だった。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは石油石炭、鉱業のほか、医薬品、精密機器、陸運、サービス、保険、情報通信が堅調。半面、証券、電力ガス、不動産、空運、その他製品、銀行が小安い。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、KDDI<9433>、セコム<9735>がけん引。

日経平均は6営業日続伸で200日線を捉えてきている。結果次第の面はあるが、米中首脳会談でいったん停戦といった格好となれば、200日線突破からの一段のリバウンドが期待されてくるだろう。また、国内需給面では、中間配当の再投資が来週いっぱいは続くため、下支え要因になりそうだ。

米国では雇用統計といった重要な経済指標の発表が予定されている。指標内容によっては利上げ観測につながる可能性はあるものの、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスの利上げは織り込まれており、一方で、来年の利上げ回数予測の引き下げに動く可能性があるため、ネガティブに反応することはなさそうだ。

とはいえ、米中貿易摩擦への影響は長期化するほか、英国の欧州連合(EU)離脱問題で「合意なき離脱」のリスクが高まっていることなど、一気にリスクオンに向かう流れは考えづらい。そのため、ここにきてボトムからの出直り基調にあるマザーズ銘柄など、中小型株への物色が強まることが考えられる。ソフトバンクの仮条件(1500円)が決定し、換金売り等も意識されそうだが、大きく調整をみせていた直近IPO銘柄や材料性のある中小型株には、年末高を意識した資金が流入しやすいだろう。



<AK>

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