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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、英政局でポンド売り再開に警戒


本日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。英国の欧州連合(EU)離脱に関する草案をめぐり政局が流動化しており、ポンド売り再開が警戒される。それを受けドル買いに振れやすいものの、クロス円の弱含みがドルを下押ししよう。


前日の海外市場は、ブレグジットをテーマに荒い値動きとなった。メイ英首相がまとめた離脱草案への批判が高まるなか、ラーブEU離脱担当相の辞任をきっかけに政局が一気に流動化。保守党内での同首相の求心力はぜい弱で、不信任決議案が提出されれば、今後の成り行き次第では退陣につながる可能性も否定できない。本日のアジア市場でも、そうした懸念から安全通貨である円に買いが入り、ドルは113円半ばから前半に弱含んだ。本邦勢の押し目買いも観測されるが、市場センチメントは悪化しており、日本株や欧米株式先物の弱含みを手がかりに円買いが強まりやすい。

今晩も引き続き英国の政治情勢にらみとなろう。メイ首相は日本時間の16日未明に開いた記者会見で「国民投票で国民が選んだことを実現する」と強弁したが、閣僚が次々に辞任し、政権は弱体化。ブレグジット草案は閣議了解されたものの、与野党からの協力は見込めず議会の了承を取り付けるのは現時点で不可能にみえる。また、イタリアの財政規律で欧州委員会から制裁を受けるとの観測は根強く、安全通貨のドルや円に買いが入りやすい地合いが続きそうだ。一方、パウエルFRB議長がやや慎重な見解を示したインパクトは大きく、週末でもあるためドルの買戻しは鈍いと予想する。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演(フランクフルト欧州銀行会議)
・19:00 ユーロ圏・10月消費者物価指数改定値(前年比予想:+2.2%、速報値:+2.2%)
・23:15 米・10月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、9月:+0.3%)
・23:15 米・10月設備稼働率(予想:78.2%、9月:78.1%)
・01:30 エバンス米シカゴ連銀総裁講演(債券市場関連会合)
・06:00 米・9月対米証券投資(8月:ネット長期有価証券+1318億ドル)




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