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すぐ始めたい人のための「商品先物取引入門」TSR上場目前講座~TOCOMでTSR先物取引が始まります~(1)高井ひろえ


こんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。今回は東京商品取引所(TOCOM)で10月9日(火)から取引が始まる天然ゴム先物“TSR”のお話をします。「えっTSRってなにそれ?」というのは当然の疑問ですよね。そんな方にもわかりやすく3回に分けて説明をしますね。最後までおつきあいください。

○ TOCOMは国内唯一の総合商品取引所
TOCOMは国内唯一の総合商品取引所です。金・白金などの貴金属、原油・ガソリン・灯油などのエネルギー、とうもろこし・大豆などの農産物、それにゴムなど各種の“商品(コモディティ)”を買いたい人と売りたい人をマッチングさせる場です。もちろん金やとうもろこしの現物を受け取ったり渡したりもできますが、圧倒的に多いのは「将来の価格」の取引です。数か月先の金やゴムの価格を現時点で競り、受け渡しの期日が来る前に転売・買い戻しをして、その差額をやり取りするのが商品先物取引の最大の特徴です。
難しく聞こえるかも知れません。しかし、安い時に買って値上がりしたら売って(転売して)利益を得る、高い時に売って値下がりしたら買い戻して利益を得る仕組みは商品先物取引もFX取引も同じことです。投資家の目的は、投資対象の価格変化を狙って収益を上げることにほかなりません。株式がいいのか、ドルやユーロのような為替、それとも金や原油のような商品を選ぶのかは投資家の方次第ですね。商品取引の中には、天然ゴムTSRもあり、それも選択肢の一つなのです。

○ ゴムはいつも身近に

みなさんは「ゴム」と聞いてなにを思い浮かべますか? 可愛らしいヘアバンド、雨の日がうれしくなる長靴に雨合羽、ペンケースに入った消しゴム、水回りのパッキン・・・。ゴムは様々な製品の素材であり、とても身近な存在です。
そうした中でもゴムが一番よく使われているのは自動車のタイヤです。毎年、世界中で莫大な量のゴムが生産されていますが、その7割以上がタイヤの生産に用いられています(実はこの事実はゴム価格の動向を探るうえでとても重要なので、ぜひ覚えておいてください)。

〇 TSRとRSSはどこが違う?
ゴムの種類には合成ゴムと天然ゴムがあります。合成ゴムは原油から、天然ゴムはゴムの樹を傷つけ樹液を採取して作ります。TOCOMで取引されているのは天然ゴムのうち「生ゴム」に属するもので、その生ゴムは66年前から取引されているRSSと、今回新たに取引が始まるTSRに分かれるのです。
RSSとTSRの違いは作り方にあります。RSSはゴム樹液を固めたのちに「燻煙(スモークド)」してシート状に固めたもの。一方のTSRは固めたゴム樹液を砕き、微細なゴミを取り除いたのちにブロック状に成型します。このためRSSは「シート状ゴム」、RSSは「ブロック状ゴム」と呼ばれます。

〇 天然ゴムを生産する国と買う国

それではその天然ゴムがどこで生産されているかご存知でしょうか? 答えはタイ(2017年生産量475.5万トン、世界占有率35.5%)、インドネシア(同340.9万トン、25.5%)、ベトナム(同108.6万トン、8.1%)の上位3カ国で、世界生産1,338.0万トンの69.1%=およそ7割を占めています。東南アジア地域が多いのですね。

一方、世界最大の消費国は中国で、2017年は510.8万トンと世界の39.0%に達します。それに続くのがインド(2017年消費量107.2万トン、世界占有率8.2%)、米国(96.9万トン、7.4%)で、同じく上位3カ国が世界消費1,309.0万トンに占める割合は54.6%と過半を超えているのです。ちなみに日本は5位で消費量は68.1万トン、占有率は5.2%でした。

実は天然ゴムの生産と消費は年を追うごとに増え、2003年に800万トンだった天然ゴムの生産・消費は、14年後の2017年には1.7倍まで拡大しているのです。

〇 ゴムはいくらで取引されているのか

では、天然ゴムはいったいいくらで取引されているのでしょう。ゴムは日常生活に不可欠でありながら、私たちは、その大元の価格を知らずに過ごしています。ガソリンや原油の価格がメディアで取り上げられるのとは大違いですよね。

それではTOCOMの相場表を見てみましょう。取引の中心となる2019年3月限の価格は1キロ当たり約167円。「へぇ~」って思いませんでしたか? 通販サイトで見る「輪ゴム」は1箱100グラム入りで200円。その差はおよそ12倍です。差額が商品としての価値なのですね。

〇 ゴム価格は世界経済にリンクしている

ゴムの価格を動かす要因はいくつもあります。その中でもゴム取引をしているトレーダーが必ず注目する指標のひとつが世界の自動車生産台数です。ゴムの用途の7割が自動車タイヤであることは先に説明しました。ということは、新車が売れれば天然ゴムの需要が伸びる、そしてそれは価格の上昇要因となる理屈です。いまや世界最大の自動車市場である中国の景気が上向けば自動車は売れますし、その逆の理屈も成り立ちます。いま世界が注目している米中貿易戦争には、そうした切り口もあるのです。ゴム価格は世界経済の大きな動きに繋がっています

次回は、TOCOMのTSR先物を取引するのには一体いくらの投資資金が必要なのかを考えてみます。ぜひご一緒くださいね。

フィスコレポーター 高井ひろえ




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