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欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、米独立記念日を控え調整主体に


3日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。ドイツの政局リスクはいったん収束に向かうとみられるが、連立政権の火種はくすぶりユーロは買いづらい見通し。ただ、明日の米国の独立記念日による休場を前に、今晩は調整主体の動きにとどまりそうだ。

ドル・円は前日の海外市場で、上値の重さが目立った。米国の6月ISM製造業景況指数は予想に反して強い内容となったが、110円90銭付近に観測されるドル売り圧力に上昇を阻まれ、NY市場では111円まで値を戻せず110円後半で引けた。本日のアジア市場では、日本株高の場面で前日の高値を上抜け、一時111円14銭まで強含んだものの、上海総合指数など中国株の軟調地合いとそれに連れた日経平均株価の反落を手がかりに、再び110円台後半に押し下げられた。米中貿易戦争への懸念は根強く、目先もリスク回避的な円買いに振れやすい地合いが続きそうだ。

一方、ドイツの政治情勢も引き続き注目材料。メルケル首相は2日、移民受入れ問題で対立していたゼーホーファー内相と会談し、移民の流入増大を抑制するため国境に施設を設置することで合意し、内相留任で連立崩壊の危機は回避された。ただ、メルケル首相の妥協的な姿勢から今後の政権運営に不安は残り、ユーロ買いは進めづらいだろう。今晩もドル選好地合いのなか、23時発表の米国の5月製造業受注が底堅い内容となれば、ドル・円は111円台定着の可能性もあろう。ただ、4日の独立記念日に伴う米国市場休場を控えポジション調整主体の取引が見込まれ、値動きは限定的となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6月建設業PMI(予想:52.5、5月:52.5)
・18:00 ユーロ圏・5月生産者物価指数(前年比予想:+2.7%、4月:+2.0%)
・18:00 ユーロ圏・5月小売売上高(前月比予想:+0.1%、4月:+0.1%)
・23:00 米・5月製造業受注(前月比予想:0.0%、4月:-0.8%)
・23:00 米・5月耐久財受注改定値(前月比予想:-0.5%、速報値:-0.6%)




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