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前場に注目すべき3つのポイント~売り先行後の底堅さが意識される相場展開に


9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:売り先行後の底堅さが意識される相場展開に
■決算チェック:コーセーの18年3月期営業利益は23%増の公算、良好な内容だが想定線
■前場の注目材料:日銀が大規模緩和維持


■売り先行後の底堅さが意識される相場展開に

9日の日本株市場は売り先行後の底堅さを見極める相場展開になろう。6日の米国市場ではNYダウが570ドルを超す下落となった。米中貿易摩擦への警戒感が高まっており、この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比215円安の21425円だった。朝方はこれにサヤ寄せする格好から先物主導のインデックス売りが先行する格好となるが、このところは下値の堅さも意識されてきているため、5日、25日線レベルでの攻防になりそうだ。

積極的な売買は限られることになりそうだが、海外投資家の売買動向については、3月4週(26-30日)は現物株と先物合計で9366億円の売り越し(前週は2599億円の売り越し)だった。海外投資家の売り越しはこれで12週連続となる。売り越し額が大きく膨らむ格好となったが、現物については48億円の買い越し(同4541億円の売り越し)と、僅かではあるが買い越しに転じている。海外投資家の需給変化も意識される。

引き続き米中貿易摩擦の行方に振らされやすい状況が続くほか、11日に北朝鮮最高人民会議、15日に北朝鮮金日成主席誕生日があり、地政学リスクへの警戒が高まりやすい面もあり、方向感を掴みづらくさせよう。とはいえ、先週の動きを見る限りでは、下値の堅さが意識されており、リバウンドを意識したスタンスになりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■コーセーの18年3月期営業利益は23%増の公算、良好な内容だが想定線

コーセー<4922>の18年3月期営業利益は前期比23%増の480億円程度となったようだと報じられている。従来予想460億円(同17.5%増)を上回り、4期連続で過去最高益を更新するもよう。売上高は同13%増の3000億円強とほぼ従来予想どおりだったもようで、業績の好調さが再確認される内容だろう。国内では訪日外国人の間で同社の高級化粧品が人気となり、一部商品では販売制限が出るほどだったという。海外でも天然由来成分を売りにした自然派化粧品を扱う米子会社タルトが好調で、中国や韓国などでも日本製化粧品への需要を取り込んで好調だったようだ。販売促進費などの増加を増収効果で吸収し、好業績を維持している。第3四半期までを29.2%営業増益で通過していること、市場コンセンサスで通期営業利益は480億円強とみられていたことから、今回の観測報道は良好な内容ながらおおむね想定線と言えるだろう。株価も足元で急ピッチの上昇を見せ、19年3月期市場予想ベースでPER40倍程度の水準に達しており、業績好調は織り込み済みとみられる。ただ、外部環境の不透明感が拭えないなかで、好業績の内需・ディフェンシブ系銘柄として資金を集めやすい状況が続きそうだ。


■前場の注目材料

・米失業率は約17年ぶりの低水準
・日銀ETF買い
・日銀が大規模緩和維持
・新興市場で直近上場銘柄が人気
・内需銘柄を中心に好業績期待
・日経平均、25日線での底堅さ


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間5年超10年以下と10年超)(日本銀行)

<海外>
・特になし



<FA>

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