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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、明日の米雇用統計やFRB議長発言を見極め


5日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。米国の雇用情勢の改善期待を背景に、ドル買い・円売りに振れやすい地合いとなる見通し。ただ、明日の連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を見極めようと、ドル買いは慎重となりそうだ。

米雇用統計の先行指標として注目された前日の3月ADP雇用統計(民間部門雇用者数)は予想を大きく上回り、雇用情勢の改善に期待が高まっている。今晩21時半発表の先週分新規失業保険申請件数は22.5万件と前回から増加が見込まれるものの、過去数年の最低水準を維持し、FRBが主張する「完全雇用」が裏付けられる見通し。明日の3月雇用統計の改善を受けたFRBの利上げペース加速への思惑から、米長期金利の上昇を手がかりにドル買いが入りやすいだろう。また、米トランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の輸入制限に対抗し中国は報復関税に踏み切ったが、米中貿易摩擦への過度な懸念は後退しているようだ。

反面、ドル・円は上昇局面となっても依然として上値の重い値動きが目立つ。前日のNY市場では、雇用統計の上振れ期待が広がって米10年債利回りが2.80%台に回復し、加えて米国株も堅調となったにもかかわらず、ドル・円は107円台を回復できなかった。本日のアジア市場でも、日経平均株価は大幅高で米株先物も上昇しているが、107円付近では利益確定売りに押される展開。保護主義的な米国の通商政策は長期的なドル売り材料のため、ドル・円は上昇を阻止されやすい。また、明日予定されるパウエルFRB議長の講演を見極めたいとのムードもあり、引き続き積極的なドル買いは手控えられそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・3月サービス業PMI改定値(予想:55.5、速報値:55.5)
・17:30 英・3月サービス業PMI(予想:54.0、2月:54.5)
・18:00 ユーロ圏・2月小売売上高(前月比予想:+0.5%、1月:-0.1%)
・18:00 ユーロ圏・2月生産者物価指数(前年比予想:+1.5%、1月:+1.5%)
・21:30 米・2月貿易収支(予想:-568億ドル、1月:-566億ドル)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.5万件、前回:21.5万件)
・21:30 カナダ・2月貿易収支(予想:-21億加ドル、1月:-19.1億加ドル)
・02:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(金融リテラシー)





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