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【フィスコ・ビットコインニュース】スケーラビリティをめぐる意見対立


5月末に乱高下したビットコインですが、足元持ち直しており30万円台で推移しています。そのようななか、今回は下記の

(1)【ファンダメンタルズ】ビットコイン価格は回復基調だがポジティブな要因なし
(2)【テクニカル】じりじりとした反発で30万円台を回復
(3)【ビットコイン入門】スケーラビリティをめぐる意見対立

という観点で解説させていただきます。今後のビットコイン投資の参考としていただければ幸いです。


(1)【ファンダメンタルズ】ビットコイン価格は回復基調だがポジティブな要因なし

5月26日に30万円台から一時20万円割れ寸前と大きな下落を見せたBTC/JPY相場ですが、徐々に価格は回復しています。

ただし、新しくポジティブなニュースが出ているといった動きはありません。先週もお伝えしていますが、アメリカ時間5月23日にデジタル・カレンシー・グループ(DCG)がビットコインの取引処理能力(スケーラビリティと呼ばれます)の問題解決のためにビットコインの仕様変更を強行すると発表しました。それ以降は、このデジタル・カレンシー・グループによる提案の実現性はどの程度なのか、またこれ以外にも存在するいくつかの解決策のうち本流はどれになるのか、といった問題が取り沙汰されており、依然としてビットコインのスケーラビリティの今後について不透明感は強いままです。概要は(3)【ビットコイン入門】で触れたいと思います。

こうした状況の中でも、ビットコインを含めた仮想通貨市場全体の時価総額は過去最高値を更新しており、6月5日現在では945億米ドルに及んでいます。これにはビットコインの他にもイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ネム(NEM)、ライトコイン(LTC)などのアルトコインが軒並み価格高騰しているという背景があり、引き続き仮想通貨市場に巨額の資金流入がある状態といえます。

(2)【テクニカル】じりじりとした反発で30万円台を回復

ビットコインは円ベースで30万円台を回復しています。5月末に乱高下した後は下落幅(139,510円、フィスコ仮想通貨取引所での価格差)に対する半値戻しの水準である25万円でもみあっていましたが、6月に入るとじりじりとした反発に転じています。落ち着きを取り戻しており、4時間足でのボリンジャーバンドでは、拡大する+2σに沿ったしっかりとした上昇が見られます。

決して楽観視はできない状況ですが、足元のじりじりとした反発は底堅さを思わせるには十分でしょう。心理的な水準である30万円台も無事に通過しました。30万円台到達を受けて、今回の急落相場のなか、20万円台前半で拾った投資家による売りが入る可能性はありますが、一足飛びで上昇しないじり高は安心感する感じます。目先のターゲットは、やはり5月につけた高値34万円水準でしょう。

(3)【ビットコイン入門】スケーラビリティをめぐる意見対立

先週は、現在ビットコインは取引量が急増しており、その解決策としてセグウィット(Segwit)が最有力視されていることをお話ししました。

昨年はこれまでビットコインの開発を一手に担ってきていたビットコイン・コア開発陣営がセグウィットを全体の95%の合意が得られれば採用しようと提案したのに対し、ビットコイン・アンリミテッドという開発チームが1ブロック(ビットコインの取引を保存する単位)のサイズを引き上げてセグウィットを採用しないという提案を行い、主にこの2派が対立している形でした。ビットコイン・コアチームの中には、セグウィットを後押しする案としてUASF(BIP-148)と呼ばれる提案を行っているグループもあり、こちらも注目を集めています。UASFについてはまた別途ご説明します。

ここに、(1)でご紹介したデジタル・カレンシー・グループの新しい提案が出ました。こちらはコアでもアンリミテッドでもない新しい一派で、まずは全体の80%の合意が得られればセグウィットを採用し、採用が決まれば6ヶ月後にハードフォーク(前方互換性・後方互換性のないアップデート)によって半ば強制的に前述のブロックサイズを2MBに引き上げようと提案しています。

このように、現在ビットコインの技術更新についてはさまざまなグループが対立している状態であり、場合によってはビットコインの分裂(ビットコインが複数の種類へと別れてしまう)の可能性もあり得るため、この技術的な話題はしばらく価格に大きく影響すると言えます。それぞれの提案どのような違いやリスクがあるのかについては、次回簡単にご説明したいと思います。


ビットコイン投資は利益が出るときもあれば、損失が発生することもあります。投資は自己責任でお願いします。
(フィスコ仮想通貨取引所: ビットコインアナリスト 田代昌之)



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